ホルモンの影響で生理前〜生理中に食欲が増すという人は多いと思いますが、実は生理中に摂ると良い食べ物と悪い食べ物があるということをご存知でしょうか。免疫が下がっている生理の期間は、なるべく食べるものにも気をつけたいですよね。この記事では、産婦人科の医師に生理中の食事について話を聞きました。
答えてくれたのは……
三鷹レディースクリニック院長 天神尚子(てんじんひさこ)先生
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、1995年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。
2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
生理中に食べると良いものは?
「卵巣ホルモンの代謝や神経物質伝達をスムーズにして憂鬱やイライラ、腰痛なども改善してくれるビタミンB6(赤身魚、レバー、バナナなど)、エネルギー源となり体を温めてくれる繊維の多い炭水化物(サツマイモ、根菜類など)は生理中に摂ると良いとされています。あとはイライラを抑えるカルシウム(干しエビ、牛乳、小魚など)、マグネシウム(豆類、海藻類など)も積極的に摂りましょう。
カルシウムとマグネシウムの摂取量は2対1が理想的です。カルシウムが過剰になるとマグネシウムの吸収が阻害されるので注意してください。
出血するので、鉄分を多く含んだ食材も良いですね。ただし、何でも摂り過ぎるのは良くありません。ほどほどの量でバランスの良い食事を心がけましょう。
血液循環を良くする鉄、銅、亜鉛、ビタミンEは子宮の収縮や卵巣ホルモンの代謝を調整するので、それらがバランスよく入っているココアもおすすめです。しかし、脂肪分や糖分には気をつけてください」
生理中に食べるとダメなものは?
絶対にダメなものはありませんが、脂質、砂糖、食塩、カフェイン、アルコールは控えましょう。特に甘いものの摂りすぎは体温が下がって血流が悪くなるため注意してください」
甘いものでもチョコレートはOK!?
「先ほど言ったように甘いものはおすすめしませんが、チョコレートに関しては、実は少量であれば体に良いものなんです。カルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛などがバランス良く摂れるうえに、トリプトファンというセロトニン(神経伝達物質)の原料が含まれています。セロトニンが多く分泌されると気持ちが安定し、リラックス作用をもたらします。
あと有名なのは、ポリフェノールですね。これには抗酸化作用や血管を広げる作用があって、健康に良いんです。ポリフェノールはダークチョコレートやミルクチョコレートなど、カカオ含有率が高いチョコレートに多く含まれています。カフェインも入っているので食べすぎるのは良くありませんが、1日ひとかけらくらいなら食べても良いと思いますよ」
以上、生理中に食べていいもの・ダメなものについてのお話でした。生理痛を緩和してくれるものや貧血を予防してくれるもの、イライラを抑えてくれるものなど、食べ物で生理のつらさが少しでも和らぐのならありがたいですね。これまであまり意識していなかった方も、この機会に食事から見直してみてはいかがでしょうか。