「ピル」と聞くと何となく避妊薬のイメージがありますが、実はそれだけではなく女性の体にとって色々な効果をもたらしてくれることをご存知でしたか?特に生理の悩みにテキメンなのだとか。この記事では、産婦人科の医師に低用量ピルの効果とメリットについて、さらにリスクについても解説してもらいました。
答えてくれたのは……
三鷹レディースクリニック院長 天神尚子(てんじんひさこ)先生
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、1995年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。
2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
70%以上の女性が「服用したことがない」と回答
まず、『低用量ピル』について20代〜40代の女性にアンケート調査したところ、なんと70%もの人が「服用したことがない」と回答しています。
何となくイメージ的に敬遠されているのかもしれませんが、本来は女性の体の強い味方になってくれる薬です。今回、そんなピルの効果やメリット、リスクについて詳しく話を聞いてみました。
※調査概要
調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」のサービスを利用された方
調査期間:2020年5月30日~2020年6月4日
調査件数:3,412(有効回答数)
低用量ピルの効果・メリット
「主に排卵を抑えることによって、避妊の効果が得られます。また、生理の量を減らしたり、生理痛がひどい場合には痛みを和らげることもできますし、生理が順調にくるので計画が立てやすくなり、旅行や結婚式などの大事な日に当たらないように生理日を自分で調整することも可能です。
子宮内膜症の予防や治療にも効果があり、すでに内膜症を患っている場合はピルを服用することで子宮内膜の増殖を抑え、進行を遅らせることができます」
低用量ピルのリスク
「気をつけるものの中に血栓症になる可能性がまれにあります。ホルモン剤を長く飲んでいると血液が固まる傾向があり、その固まった血液が血管を詰まらせてしまい、突然の手足の痛みやむくみ・息切れや胸痛などの症状が出てきます。
ですから、ピルを処方するにはいろいろな条件を設けています。まず、タバコを吸っている人にはおすすめしていません。その他、BMI30以上の高度肥満の人や40代以上の方なども血栓症のリスクが高くなるので、慎重投与になります」
避妊だけではなく生理痛や子宮内膜症にまで効果があるという、まさに万能薬といえる低用量ピル。毎月生理が重いという人は、服用をはじめてみてはいかがでしょうか。ただし、血栓症などのリスクもあるので、かならず産婦人科の医師に相談の上、処方してもらいましょう。