イヤイヤ期は、子どもの自立心や自我が発達してくる時期と言われていますが、ママやパパには自己表現ができても、保育園や幼稚園など一歩外に出ると、自己表現ができないという子どももいます。例えば、自分の使っていたおもちゃを友達に取られたのに何も言えない、友達に嫌なことをされたのに「やめて」と言えないなどです。
そんな自己表現が苦手な子どもに対して、「もう少し、自分の思ったことを相手に伝えられたら良いのに」と悩むママも多いと思います。そこで今回は、自己表現をできない子どもに対して、どんな声かけや接し方をすると良いのかを紹介していきます。
自己表現の強い子、弱い子とは?
自己表現とは、いわゆるわがままとは違い、「この服を着たい」「○○で遊びたい」など、自分の意思を伝える力のことを言います。この意思表示をはっきりと伝える子は自己表現が強いと言われ、逆に、自己表現の弱い子とは、意思表示をあまりしない子。
その原因は、「自分はこうしたい」という意見があまりなくこだわりがない、恥ずかしがり屋、緊張しやすい、いい子に思われたいなどで主張できないことがあります。兄弟姉妹の有無や環境、親の接し方と併せて、生まれ持った気質や性格も影響するようです。
自己表現の弱い子は、強くする必要はあるの?
自分の意思をはっきり伝えることは必要ですが、強い子、弱い子のどちらが良いかではなく、子どもの個性だと受け止めることが大切です。自己表現の弱い子は、いろいろなことに我慢をしている、気が弱い、優柔不断とネガティブなイメージを持ってしまいがちですが、一方では協調性があったり、やさしい子であるとも言えます。
ただ、幼稚園や小学校などの社会生活の中で、はっきりと物事を言えないばかりに損をしてしまうなど、マイナスになるシーンが出てくるかと思います。そこで、自己表現が弱い子どもに対しては、まずはママやパパが自分の意見を相手に伝える大切さを教えてあげることが必要です。
親は先回りせず、子どもに考えさせよう
自己表現が苦手な子どもは、そもそも自己表現の方法を知らない可能性があります。例えば、「こっちが良いよね?」「○○したほうが良い」、おもちゃを取られたら相手に「返して」と仲裁に入るなど、子どもの考えや行動を待たずに親が先回りをして、子ども自身にどうしたいかを考えさせていないケースが考えられます。
ただ、いきなり自己表現を求めても子どもは戸惑ってしまいます。まずは「AとBどっちが良い?」と選択させ、自分で考えることから始めると良いです。選択したものを承認し、選んだ理由をゆっくりと聞いてあげると良いでしょう。やがて選択肢以外のことを選んだら、それは徐々に自己表現が身についてきた証拠です。
また、対人面で「嫌!」と言えないシーンでは、親が代弁するのではなく静観することも大切です。子どもが我慢したことに対して、「おもちゃを取られて悲しかったね」など子どもの悲しかった気持ちを受け止めましょう。
しかし、あまりにも頻繁にお友達に自分の意見を言えなくて、嫌な気持ちをしてしまうということが多い場合は、自分の思っていることを相手に伝えるのは、とても大切なのだということを子どものペースに合わせて、少しずつ教えてあげましょう。
例えば、くまの人形をお友達に見立てて「おもちゃを取られたとき、お友達に何て言ったら良いと思う? くまちゃんに向かって練習してみようか」など、子ども自身に一度考えさせ、口に出して伝える練習をするなど、実際にお友達との場面を想定してシミュレーションをさせるというのも1つの手段です。子ども自身が自分の頭で考え、何度も口に出すということを訓練するうちに、自然と身についていくでしょう。
もし、子どもの言い方が弱かったり、伝わりにくいという場合は「じゃあ、こうに言ったらもっと伝わりやすいんじゃない? 」など、伝え方のアドバイスをおこなうと良いですね。子どもが相手に伝えられるようになったら、褒めてあげるのも忘れずに。
自己表現が弱いことは、決して悪いことではありませんが、我慢ばかりして自分の気持ちを抑えてしまうのは心の発達によくありません。自己表現を覚えないまま大人になっていくのも心配です。時に、親はハラハラすることもあるでしょう、口を出したくなることもあるでしょう。でも、先回りせず子どもの考えを引き出すスタンスを繰り返すことで、自己表現ができるようになるはずです。そして、何より子どもの個性として認めてあげるようにしましょう。
ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~5歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日なりますように!