染色体異常や流産は卵子の老化が原因!? 老化を食い止める方法はある?

2020/10/07 08:25
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卵子のことを知ることで、ご自身の体のこと、命のことをより深く知ることができるかもしれません。この記事では、意外と知られていない卵子について、浅田レディースクリニック理事長 浅田義正先生のお話を交えて紹介しています。
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妊娠に欠かすことのできない卵子ですが、みなさんは卵子についてどのくらいご存知ですか? 実は卵子にはみなさんが知らないような不思議な話がたくさんあるんです。卵子のことを知ることで、ご自身の体のこと、命のことをより深く知ることができるかもしれません。そこで、意外と知られていない卵子について、浅田レディースクリニック理事長 浅田義正先生のお話を交えて紹介していきたいと思います。今回は、「卵子の老化」のお話です。

 

卵子はどんどん年老いていくって本当?

35歳以上で初めて妊娠・出産することを高年(高齢)妊娠・高年(高齢)出産と言い、染色体異常や流産をはじめとする妊娠・出産のリスクが年齢とともに増加する傾向があります。その要因は母体の加齢に伴う身体的なものもありますが、「卵子の老化」も要因の1つなのです。

 

ママのおなかの中にいるときに卵子のもととなる原始卵胞がつくられ、約200万個ある状態で生まれてきますが、これ以降、原始卵胞の数が増えることはありません。そして、成長ともにどんどん減少します。生理周期とは関係なく、原始卵胞は約6カ月かけて成熟卵胞になります。ヒトの場合、最後の1カ月でひとりの赤ちゃんを産むためにひとつの成熟卵胞が育ち、他の卵胞はしぼんでいきます。結局、1個だけが成熟して、排卵されます。

 

排卵までの時間が長いということはその分だけ原始卵胞も年令を重ね、老化することになります。さらに、多くの細胞が関与する見た目や身体機能の老化以上にひとつの細胞である卵子は早く顕著に老化するのです。

 

卵子の老化により、成熟の段階でおこなわれる減数分裂がうまくできず染色体の数が異なる卵子ができたり卵子の機能を失っていたりするものも出てきます。その後の細胞分裂でも染色体異常が生じたり、受精卵が成長しなかったりうまく着床できない、あるいは着床しても育たない、流産してしまうということになります。
 

卵子の老化には個人差はある? 老化を食い止める方法はある?

高年妊娠では染色体異常や流産のリスクが高まりますが、40代で自然妊娠して元気なお子さんを出産される方もいらっしゃいます。なぜなら、卵子の老化は均一に起こるものではなく、老化の程度に少しバラツキがあるからなのです。では、卵子の老化には個人差があるのでしょうか? また、老化を食い止める方法はあるのでしょうか?

 

浅田先生によると、「保管機能(冷蔵庫)が悪い人は早く劣化してしまいます。ただ、何人も子どもを産むと、卵巣の血液の循環が良いため卵子の保管機能が少し良いかもしれません。実は昔のほうが高齢出産は多く見られました。一方で子宮内膜症の人は冷蔵庫の機能が悪いため卵子が劣化が早い傾向にあります。でもそれよりも経年劣化のほうが影響が圧倒的に大きいです。また、卵子の老化は生活によって防ぐことはできません」とのこと。

 

現在、日本の少子化の要因の1つに女性の社会進出に伴う晩婚化や晩産化が挙げられています。結婚する・しない、出産する・しないは個人の考え方があると思いますが、卵子が老化するということを知ると、また考え方も変わってくるかもしれませんね。
 

卵子の在庫は調べられる?

約200万個の原始卵胞を持って生まれてくるとはいえ、自分が何歳で初潮や閉経を迎えるのかわかる人はほとんどいないのではないでしょうか? 卵子の在庫を知ることに対して浅田先生は、「ライフプランを立てる意味では役に立つ」とおっしゃいます。では、卵子の在庫を調べる方法はあるのでしょうか?

 

浅田先生いわく「今までは目安がなかったため突然生理がなくなったりしましたが、今は、血液検査で卵子の数を調べることはできるようになりました。調べるのは5,000〜6,000円ででき、すぐ結果がわかります。ただしそれは100%の答えではありません。そのときのホルモンバランスによって量が変わるので、ざっくりとした『少ない』『普通』『多い』がわかる程度」なのだそう。

 

この検査は産婦人科だけでなく検査センターでも受けられ、家庭でもチェックできるキットなどもあるようです。気になる方は一度調べてみてもいいかもしれませんね。

 


今回は、「卵子の老化」についてお話ししました。次回は、「排卵後の卵子の寿命」に関するお話です。


著者:助産師 REIKO

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

 

監修者

医師 浅田義正先生

浅田レディース品川クリニック 院長


名古屋大学医学部卒業。名古屋大学医学部附属病院産婦人科医員として「不妊外来」および、「健康外来(更年期障害・ホルモン補充療法)」の専門外来を担当後、米国初の体外受精施設に留学。主に顕微授精(卵細胞質内精子注入法:ICSI)の基礎的研究に従事。95年に名古屋大学医学部附属病院分院にてICSIによる治療開始。顕微授精症例の全症例を担当し、同年5月、精巣精子を用いたICSIによる日本初の妊娠例を報告。98年ナカジマクリニック不妊センター開設。2004年浅田レディースクリニック(現・浅田レディース勝川クリニック)開院。10年に浅田レディース名古屋駅前クリニック、18年には浅田レディース品川クリニックを開院。多くの不妊に悩む女性と日々向き合っている。『不妊治療を考えたら読む本 科学でわかる「妊娠への近道」』(ブルーバックス、講談社)など著書も多数。



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