わかっていても認めたくなかった痔の症状
産後2カ月、会陰切開の傷の痛みを感じなくなってきたころのことです。排便時におしりに強い痛みを感じるようになりました。はじめは一時的にピリッとする痛みだったはずが、気が付けば便に血が付くように。
ネットで調べると痔の症状だということに気がつきましたが、今まで経験したことがなかったため恥ずかしさが勝ってしまった私。今思えばドラッグストアにでも行って薬を買えばよかったのですが、「そのうち治るかもしれない」と自然治癒を勝手にあてにしたまま半年が経ってしまいました。
産後半年、ようやく肛門科へ
傷口は徐々に広がっていき、産後半年たったころには排便すると便器が血で真っ赤に染まるようになりました。さすがにこれはまずいと意を決して夫に話すと、「どうしてもっと早く相談してくれなかったんだ!」と叱られつつ肛門科に連れていかれることに。
当時は新型コロナウイルスが話題になり始めたばかりで、どこの肛門科も診察数を制限しており、女医さんの予約は特に困難でした。結果、女医さんの予約はできないものの男性医師であれば並んだ順に診察してもらえるという病院を見つけ、当日4時間待ちで診察してもらうことに。向かう車の中で私はまだ羞恥心が勝っていました……。
恥ずかしがらずに早めの診察を
肛門科の待合室には、驚くことに同年代の女性がたくさんいました。なかには受付で妊娠中であることを伝える妊婦さんも。あとで知ったことですが、夫の親戚で痔の症状が悪化して痔ろうになってしまった人がいるそうで、夫は特に過敏になっていたとのことでした。
診察では医師から「傷が大きいね、これはずいぶん痛かったでしょう」とねぎらわれ、もっと早く診察を受けていればと悔やんだ私……。結果、切れ痔との診断を受け坐剤と便をやわらかくする薬を処方してもらいました。幸いなことに症状は1カ月半ほどで改善しました。
初めての育児に追われていると自分の体調をつい後回しにしがちでしたが、もっと早く周囲に相談していれば治療ももう少し短期間で済んだと思います。「妊娠中や産後は痔に悩む人が多い」という情報があったにもかかわらず、恥ずかしがってしまった自分を反省しました。娘の育児とあわせて自分の体調管理も忘れずに心がけていきたいです。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/助産師REIKO
著者:こさい れい
0歳女児の母。元テレビ番組ディレクター。フランスで育った自身の経験をもとに海外生活、旅行、子育てについて執筆している。