重たい生理痛に毎月悩まされている女性は多いと思います。生理痛が特にひどい時期は、何もしたくなくなるほど心も身体も弱ってしまいますよね。そんな地獄の生理痛を少しでも改善するために、できることと注意すべきこと、効果的な方法を専門家の医師に伝授してもらいました。何が良くて何がダメかを意識して行動すれば、痛みを今よりも和らげることができるそうですよ!
答えてくれたのは……
三鷹レディースクリニック院長 天神尚子(てんじんひさこ)先生
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、1995年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。
2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
生理痛はなぜ起こる?
「生理時に子宮内膜で作られるプロスタグランジン(生理活性物質)によって子宮筋が過剰に収縮して、痛みを起こします」
鎮痛剤は何が効く?注意点は?
「プロスタグランジン合成を阻害する非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)が効果があるでしょう。(※インターネットなどで調べると該当する市販薬が分かります。病院では、アセトアミノフェン<カロナール>やロキソプロフェンナトリウム水和物<ロキソニン>がよく処方されています)
鎮痛剤は、痛みが発現する少し前に飲みましょう。早めに飲んだほうが量も回数も少なくて済みます。
他にも、漢方薬、低用量ピルなど、自分に合ったものを選びましょう」
生理痛を重くする食べ物や行動って?
「暑い時期に育つ夏野菜など、身体を冷やすような食べ物は控えましょう。反対に、身体を温める根菜類などを摂ると副交感神経が働いて、身体の休息と回復が進みやすくなります。また、不規則な生活、寝不足、ハードスケジュール、ストレスなどは痛みを感じやすくなるので控えましょう」
結局、何がもっとも効果的?
「なるべくストレスを少なくして、リラックスできるように努めることです。軽い運動や温かい食事で血液の流れを良くすることも効果があります。対症療法としてはNSAIDs(鎮痛薬)が効果的ですが、効かなかったり強い痛みを感じるときは、子宮内膜症、子宮筋腫などの病気が隠れていることもあるので、我慢していないで婦人科を受診するようにしましょう」
以上、生理痛の改善策について解説してもらいました。
鎮痛薬がやはり即効性という面では有効なようですね。もちろん、摂りすぎは禁物なので、どうしても痛い時は薬を服用して、あとは自宅でリラックスできる環境を整えるなど、できることをやっていきましょう。仕事や家事、子育てなどでなかなか難しいかもしれませんが、本当につらい時は我慢しない(=ストレスを溜めない)ことが大切です!なるべく家族に協力してもらったり、婦人科を受診して相談するようにしましょう。