これから寒い季節を迎えるにあたって、インフルエンザの感染も流行期を迎えます。今年は新型コロナウイルスの影響もあり、インフルエンザの予防は例年より重要性を増しています。今回は、今年の予防接種のスケジュールと助成についてお伝えします。
2020年は例年とスケジュールが変わる
厚生労働省の発表によりますと、2020年のインフルエンザワクチンは過去5年間で最大量(約6300万人分)の供給を予定しているとのことです。
今年は新型コロナウイルスの影響もあり、原則として10月1日~10月25日までは、定期予防接種対象者である65歳以上の方(心臓、腎臓、呼吸器機能不全の60~64歳までの方を含む)を優先として予防接種をおこないます。10月26日以降にその他の方(特に妊婦さんや生後6カ月~小学校2年生までの乳幼児・児童)の予防接種をおこなうよう、厚生労働省は協力を要請しています。
しかし、実際は病院・クリニックごとの判断やワクチンの供給状況にもよります。すでにインフルエンザ予防接種の受付・予約をしているところも多く、すでに初期の予約が終わっている病院・クリニックもあるようです。また、クリニックによっては新規の受付はせず、一度は来院した人(診察券を発行されている人)に限定しているところもありました。インフルエンザワクチンが十分な効果を維持する期間は、接種後2週間程度~5カ月程度と考えられていますので、予防接種を希望される方は、早めに確認・予約をおすすめします。
インフルエンザ予防接種の補助について
インフルエンザの予防接種は治療行為でないため、健康保険の適用にはならず、病院・クリニックごとに費用が変わります。多くの場合、1回あたり3000~5000円であることがほとんどです。これを家族の人数分となると、それなりの出費となりますが、補助を受けられるケースもありますので、すべての方に当てはまるものではありませんが、主な助成についてお伝えしてまいります。
1.健康保険組合からの補助
加入している健康保険組合(健康保険証に記載のある保険者または交付者)によっては、インフルエンザ予防接種の補助を行っているところがあります。対象者の範囲が被保険者(勤務している本人)限定のところと被扶養者(被保険者の扶養家族)まで対象にしているところ、金額も被保険者・被扶養者が同一の場合と被保険者と被扶養者で異なるところなどありますので、まずは、加入している健康保険組合のホームページや会報などを確認しましょう。
2.自治体からの助成
一部の自治体では、乳幼児を中心としたインフルエンザ予防接種の助成をおこなっています。例を挙げますと、世田谷区では1~15歳のお子さんがインフルエンザ予防接種を受けた場合、接種1回あたり1000円の助成が受けられます。また、神戸市では1~12歳のお子さんがインフルエンザ予防接種を受けた場合には接種1回あたり2000円の助成が受けられます。すべての自治体で行っているわけではないので、お住まいの自治体のホームページや広報紙を確認しましょう。
3.その他
一部のポイントサイトや、福利厚生のカフェテリアプランでインフルエンザ予防接種の割引や補助を受けることができます。加入しているポイントサイトや福利厚生のサイトを確認することをおすすめします。
なお、確定申告の医療費控除の対象に、インフルエンザ予防接種は該当しません。治療・診療に該当しないことが理由です。医療費控除の計算に含めてしまうと、後日修正を求められる可能性がありますので、注意しましょう。