「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【専門家に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回はテレビに関するご相談です。
Q.子どもと遊ぶのが苦手でテレビについ頼ってしまいます。
生後11カ月の子どもを育てています。日中子どもといるときは、つい録画していたEテレやYouTubeを付けっぱなしにしてしまいます。テレビをつけていると、気に入っている番組などはかじりついて見ていて、あまりグズりません。昼間は散歩か支援センター、昼寝以外はずっとつけている状態です。
本当はテレビを消して一緒に遊んであげたらいいとはわかっているのですが、子どもと遊ぶのが苦手で長くは相手することができません。絵本を読んで、機嫌が悪くなると抱っこして、散歩して……の他は子どもがEテレを見たり、ひとりで何かをしているのを家事をしながらそばで見守っている感じです。やはりテレビは消したほうがいいでしょうか? ひとり遊びだとあまり時間がもたずグズグズするので、つい頼ってしまいます。
高杉絵理助産師からの回答
テレビは子どもにとってとても刺激的なので、お気に入りの番組などあれば食い入るように見ますよね。
小児科学会の提言では、2歳以下の子どもには,テレビ・ビデオを長時間見せないようにしましょうと言われています。内容や見方によらず、長時間視聴児は言語発達が遅れる危険性が高まるという研究結果も出ているようです。なので、見せるとしても、決まった時間にしたり、お気に入りの番組が終わったら消すというようにメリハリをつけるといいですね。
ママの大変なお気持ちもとてもよくわかります。そろそろたっちなどして遊びますか?体を使ってできる遊びや支援センターなどで教えてもらった遊びがお家でもできるといいですね。ママも無理しすぎずにお過ごしくださいね。
※参考:ベビーカレンダー「専門家に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください
赤ちゃんにテレビはいつから見せていいの?
まず、日本小児科医会(2004年)から、このようなスマホやタブレットなどディスプレイに関する提言が出ています。
1. 2 歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。
2. 授乳中、食事中のテレビ・ビデオの視聴は止めましょう。
3. すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1 日 2 時間までを
目安と考えます。テレビゲームは1日 30 分までを目安と考えます。
4. 子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パーソナルコンピューターを置かないようにしま
しょう。
5. 保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールをつくりましょう。
出典:「子どもとメディア」の問題に対する提言/社団法人 日本小児科医会「子どもとメディア」対策委員会
なかなか厳しい提言ですね。
この提言を見て、「1分もディスプレイを見せたらダメなんですか?」といった質問をされるママもいらっしゃいます。
ただ、特に上にきょうだいがいる場合、2歳までテレビなしって実際はすごく難しいですし、テレビゲームを30分でピタッと終わらせることは不可能のように思います。
小児科医の保田典子先生が大事にしている3つのこと
子どもとメディアの付き合い方として、「こんな育児がしたいから、こんなときにメディアを使う」というルールをつくっておくといいかなと思います。
ちなみに、私は育児をするうえで、以下の3つを大事にしています。
① 睡眠時間をしっかりとる
② 体をたくさん動かすようにする
③ 自己肯定感を育てるようにする
WHOの提言では、「5歳までは体をたくさん動かしましょう」「ハイチェアなどにじっと座らせておく時間を少なくしましょう」と言われています。
この3つのルールを守っていると、自然と日本小児科医会の提言がだいたい守れていました。
睡眠・運動時間を多くとると、ディスプレイタイムが減った
私は子どもが生後2~3カ月のころから働いていたのですが、①と②を守ろうとすると、自然とディスプレイタイム(テレビ、タブレット、スマホなどの合計時間)が短くなっていきます。
休日も、とにかく外に出て遊ぼうとしていたので、テレビはながら見を入れて1-2時間でした。でも、雨の日は自然とテレビ時間が増えることが多いです。博物館などに行くなどもしていましたが、コロナ禍になってからは外出を控えているので「のんびりする日もいいよね」と割り切って、テレビを見せています。
お出かけのときもベビーカーではなく抱っこが多く、カバンやポケットに入っていたスマホを出しにくかったため、子どもがぐずっても電車の中でスマホを使ってあやすことはありませんでした。ぐずりにくい時間帯を選んで移動したり、ぐずりだしたら歌を歌ったりしてやり過ごしていました。
下の子は時間を区切って、じょうずに付き合う
しかし、上の子が成長し、テレビを楽しむようになったら、一緒に過ごしている下の子は0歳のときからテレビを見るようになり、2歳からはタブレットも見ています。
動画は、子ども向けアプリだと時間制限ができるので、それで時間を区切って見せています。ゲームなどはタイマーをつけて、決めた時間で終わらせることを条件に、3歳ごろから使っています。
親が家事や仕事などをするために、お子さんにスマホやテレビを見せる時間があってもいいかなと思います。
テレビなどを見せるときは、
①「わが家は、こんなときはテレビを見ます」といったルールを決めること、
②時計の針を絵に描いて「この時間になったらテレビを見ていいよ」など、子どもにもわかりやすい方法でルールを見える化するのがおすすめです。
スマホやテレビの時間を制限したいのではなく、育児で大事にしていることを優先すると、自然と時間制限が必要になってきます。
大事なのは「メディア選定」と「親子のコミュニケーション」
スマホやタブレットなどのメディアは悪いことばかりではなく、メディアによっては子どもの語彙力や計算力が高くなる傾向があるという研究もあります(セサミストリートに関する研究より)。触れさせるメディアを選ぶというのは大事かもしれません。
また、メディアの問題点は、一方的なコミュニケーションになるということ、一度に大量の情報が流れているということ、そして視力に対する影響などがあります。
動画やテレビを子どもに見せるときは、ひとりで見せっ放しにせず、「何見てるの?」とか「これおもしろいね」「どんなところが楽しいの?」など、お子さんとコミュニケーションをとりながら親子の会話や触れ合いにプラスに働くように利用するといいと考えられます。
※参考:ニュース(ママネタ)「2歳までテレビや動画NG」でもスマホやメディアと上手に付き合うには?【3児ママ小児科医の育児】【監修者:医師 保田典子 先生 小児科 | 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師】
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