旅行や結婚式など、大切なイベントの日に限って生理と重なりそう……そんな悩みが産婦人科に行くことで解決するってご存知でしたか?
この記事では、生理の開始日をずらす「月経コントロール(月経移動)」の方法について産婦人科の医師が解説してくれています。さらに、皆が気になっている「生理を早く終わらせる方法」についても聞いてみました!
答えてくれたのは……
よしかた産婦人科 上原萌美先生
日本産婦人科学会専門医。横浜市立大学産婦人科入局後、神奈川県内の病院にて勤務し、現在、よしかた産婦人科・よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック勤務。
生理の開始日をずらすことってできるの?
「大切なイベントなどに生理が重なりそうなとき、ホルモン薬(ピルなど)で生理をずらすことができます。方法はこの2種類です。
●生理を早める→前の月の生理中に薬を飲み始める
●生理を遅らせる→予定生理の数日前から薬を飲み始める
予定が決まったら、早めに産婦人科にご相談下さい」
ピルを飲まずにコントロールすることはできる?
「残念ながら、ホルモン薬(ピルなど)を服用する以外の方法はありません。
生理は排卵日の2週間後からはじまるのですが、排卵を自分の意思でずらすことはできません」
生理を早く終わらせることはできる?
「月経血は、子宮が収縮することによって、狭い子宮の出口を通って子宮の外に押し出されます。
すなわち、生理を早く終わらせる=子宮の収縮させて経血を出しきるということになりますが、こちらも残念ながら、子宮の収縮は自分の意思ではコントロールできないと言われています(心臓や胃腸と同じです)」
巷で聞く「生理を早く終わらせる方法」は効果あり?なし?
●腟トレ(骨盤底筋体操)
「データがないため不明ですが、早く終わらせる効果はないかもしれません。ただし、尿漏れ、臓器脱、性機能障害への効果はありますので、おすすめです」
●トイレでいきむ、ジャンプする
「どちらも長期的に何度も行うと、骨盤底筋がゆるみ尿漏れや臓器脱になりやすいので、できればやらない方が良いです。
スポーツや仕事などで、よく重い物を持つことがある、ジャンプをする機会がよくある方は、腟トレで骨盤底筋を鍛えておくと良いかもしれません」
以上、「月経コントロール(月経移動)」についての解説でした。
大事な日と生理が重なってブルーになることは、女性なら誰しも経験していると思います。生理を早く終わらせることは出来なくても、開始日を確実にずらせるならぜひ活用したいですよね! この先旅行などの予定がある方は、定期検診がてら産婦人科で相談してみてはいかがでしょうか。
(※医師の指示無く、自己判断によるピルの服用はやめましょう)