クックパッドベビーをご覧のみなさん、はじめまして!助産師のREIKOと申します。
みなさんは子宮頸がん予防ワクチンは接種しましたか?まだという方はどのように考えていらっしゃいますか?
女性特有の病気、子宮がん。定期的に検診されている方も、妊娠を機に検査を受けた方もいらっしゃると思います。子宮がんの中でも、比較的若い女性に多いといわれる子宮頸がんですが「ワクチンでの予防が可能ながん」でもあるんです。
2009年、日本でも認可された子宮頸がん予防ワクチンですが、近年このワクチンを巡ってさまざまな議論が起きているようです。今、子宮頸がん予防ワクチンはどうなっているのでしょうか?
そもそも子宮頸がん予防ワクチンって?
子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することによって発症します。感染の原因は性交渉です。
性器に感染するHPVは数10種類ありますが、その中の数種類が子宮頸がんの原因となります。そのうちの数種類のHPVによる子宮頸がんの発症を予防するのが、現在の子宮頸がん予防ワクチンです。
子宮頸がんを発症してからではワクチンの効果がないので、性交渉前の10~14歳での予防接種が勧められていました。2種類あるワクチンのうち、どちらのワクチンを打つかは希望可能で、3回のワクチン接種が必要です。
気になる・・・ワクチンの副作用
例えば、インフルエンザ予防ワクチンを打ったあと、注射の部分が痛かったり、かゆかったり、発熱してしまったりする方もいらっしゃると思います。これはワクチン接種による副作用です。インフルエンザ予防ワクチン同様、子宮頸がん予防ワクチンにも副作用があることが報告されています。
また、それ以外に、ワクチン接種が原因とは言い切れないけれども、関係がないとも言えない、といった重い症状も報告されています。
しかし、このような副作用の発症頻度は、子宮頸がん予防ワクチンにだけ多く見られるものではないということもいわれています。
子宮頸がん予防ワクチンをめぐる動き
子宮頸がん予防ワクチンを巡っては、ワクチンの研究所やワクチンを接種した方、それを取り巻くメディアと、さまざまな動きが見られます。
子宮頸がん予防ワクチンによる副作用を訴える女性たちが被害者の会をつくったり、訴訟を起こす方針であることが発表されたりしています。
厚生労働省では、子宮頸がん予防ワクチン接種後に見られた症状の中に、ワクチンとの因果関係が否定できないものもあることから、国民に適切な情報提供ができるまでの間、一時的に定期接種を積極的に勧奨すべきではないという方針を立てています。
その後も、子宮頸がん予防ワクチン接種と副作用との因果関係に関しての調査や研究が行われていますが、調査や研究方法に異論が出るなど、明確な結果はまだ得られていないのが現状のようです。
きちんと理解したうえで接種することが大切
子宮頸がん予防ワクチンだけでなく、すべての予防ワクチンに作用と副作用があります。そのことを自分自身でよく考え、きちんと医師からの説明を受け、理解したうえで予防接種を受ける必要があると思います。
また、子宮頸がん予防ワクチンを接種したからといって、子宮頸がんを100%予防できるというわけではありません。予防に加え、定期的に子宮がん検診を受けることが大切ですね。(TEXT:助産師 REIKO)