ナプキンやタンポンに代わる第3の生理用品、「月経カップ」をご存じですか? 欧米では愛用者が増えていて、日本でも広まりつつあるアイテムです。
月経カップを使うことで、生理のときの不快な臭いや蒸れ、肌かぶれなどから解放され、その快適さに「もう紙のナプキンには戻れない!」という女性も多いのだとか!
今回は実際に「月経カップ」を使った女性の感想とともに、月経カップについて詳しくご紹介します。
「月経カップ」って? どうやって使うの?
「月経カップ」は、腟内に挿入して経血を受け止めるカップ型の生理用品のこと。医療用のシリコンで作られているものが多く、繰り返し使用できます。
折りたたんだ状態で腟に挿入し、腟内でカップが開くことで固定されたらOK。約4〜6時間毎を目安にカップに溜まった経血を捨て、カップを水洗い(できれば低刺激のせっけんを使って洗浄)をし、再度装着します。カップが経血でいっぱいにならない限りは、最大12時間まで装着可能な商品がほとんどです。
生理期間が終わったら、月経カップは煮沸消毒をし、清潔を保つようにします。
月経カップを使うメリットは、腟内で経血をキャッチできるため、臭いが気にならず、ナプキンによる蒸れや肌かぶれからも解放される点。そして、繰り返し使用できるので経済的です。
また、生理特有の経血がドロッと出る感覚がない、生理ということを忘れてしまうくらい快適という意見も多く、生理中でもアクティブになれるのが良いところです。そして、経血量がひと目でわかるのも、月経カップならでは。いち早く体の不調や異常に気づくためには自分の経血量を把握することも大切です。
デメリットは、スムーズに装着できるようになるまでに少し時間がかかることや、生理カップの手入れに手間がかかること、うまく装着できなかったときに経血が漏れてしまうことがあるという点などが挙げられます。
実際に使ってみた女性の感想
ナチュラルコスメやオーガニックコスメなどの情報発信をしている植物療法士のかすみさん(@kasmi.tby)が使用した月経カップは、「フルムーンガール」のスモールサイズ〈写真右〉と、「エヴァカップ」のサイズ2(ラージ)〈写真左〉。
ひと言で感想を言うと、「(取り扱いに慣れれば)めちゃくちゃラク!」とのこと。
「生理期間ということを忘れる身軽さ。いつも通り湯船に入れるうれしさ。そして、ナプキンを持ち歩いたりしなくていいっていうのも、かなりうれしい。(旅行のときとか生理かぶると大変ですよね……)」
さらに、かすみさんが月経カップデビューをした際の感想を詳しくご紹介します。
生理1日目
初日は「フルムーンガールカップ」を使って初めての装着。
いや、全然うまくいかない、何これ無理……!(なんとか入っても、これでいいのか感がすごい)
なんとか頑張って2・3回挑戦してみると、なんとなくコツを掴んでスムーズにできるように。
そして慣れると、何をそんなに手こずっていたの?というくらい簡単に装着できました。
でも、スモールサイズということもあってか奥のほうに入ってしまい、出そうとするときに毎回、「これは取り出せないのでは!?」という不安に駆られました。(なんだかんだ取り出せます!)
念のためナプキン併用していましたが、トイレ行くたび普通に血がついてて「あれ、めっちゃ漏れてるやん……」ということを繰り返して、気づきました。
私の経血量にはスモールサイズでは容量が足りないということに!
何も調べずに勢いで始めたので、使ってみてからサイズの重要性に気づきました。
その後すぐに「エヴァカップ」のラージサイズを注文し、翌日午前中に届いたので2日目からはそちらにチェンジ。
生理2日目
「エヴァカップ」を正午につけてそのまま外出。18時ごろまでそのままでしたが、全然漏れていない! これはいけると確信しました。
「エヴァカップ」はそれなりに硬さがあり弾力が強くて、折りたたんで入れたあとに中でパッとしっかり開いてくれるのが◎。ただし、中でちゃんと開かないと漏れてしまうそう。
大きめのサイズだから奥のほうに入りすぎてしまうこともなく、取り出すときにすぐ先端を掴めるので安心です。
サイズが大きい分、出し入れ大変かな?と不安でしたが、逆に扱いやすかった!
生理3日目
朝起きたら布ナプキンに少量の血が。取り出したらカップ満杯で少し漏れたようです。やっぱり多い日はナプキン併用が安心ですね。
3日目ともなると、かなり手慣れてきて装着はラクラク。朝、昼過ぎ、夕方(お風呂前)、寝る前に取り出して漏れナシ!
生理4日目
生理中ということを忘れて、12時間ギリギリまで装着したままでした。
気づいて取り出したらカップ満杯! 漏れてなかったけど、気を抜きすぎました。
つけている感じも、生理中の腰がだるい感じもなくて、ついつい忘れてしまいます……。
生理5日目・6日目
月経カップをつけるほどの量も出ていなかったので、一応小さいナプキンをつけておしまい!
月経カップは煮沸消毒して、乾いたら次の生理まで巾着に保管しておくようにしました。
1日目の時点では、これはムリなんじゃ!?と諦めモードでしたが、2日目からは慣れて、とってもラクに!
合わない人もいるかもしれませんが、私にはメリットが多すぎて使うしかない!という感じでした。
デメリットとしては、多少なりとも手に経血がつくこと。でもすぐ洗い流せるから問題なし♪
使い方に慣れれば生理期間が快適に♪
産婦人科医で、プロボクサーやベリーダンサーとしても活躍している高橋怜奈さん(@renatkhsh)は、海外のお土産でもらった月経カップを使用してみたそうです。
「シリコン製なので清潔に取り扱うことができ、タンポンのようなTSS(トキシックショック症候群)(※)の心配がありません。長い立ち仕事の方や、なかなかトイレに行けない方、ナプキンでかぶれやすい方にもおすすめです」
(※)TSS(トキシックショック症候群):黄色ブドウ球菌の出す毒素が原因で起こる急性疾患のこと。極めて稀な疾患ですが、発症すると短い時間で重篤な病態となる可能性があります。
高橋怜奈さんが初めて月経カップを使ってみた際の感想を詳しくご紹介します。
月経カップ使用2日目の感想
入れたり出したりするのにはかなり慣れが必要。
タンポンを日常的に使っていた人は慣れるのが早いかも。
私はまだ2日目ですが、苦労しています。元々ピルユーザーなので経血が少ないから入りづらいのかもしれません。
入りづらい場合はローションやゼリー(水溶性潤滑剤)を使ったほうが入りやすいです。
慣れたら革命的に生理期間が変わると思うので、頑張って練習中です!
今のところのポイント
・入れるときは濡らして、もしくはローション使用
・腟の方向を意識して入れる
・四つん這いや、足を開いた姿勢が入れやすい
・なるべく奥に入れる(浅いと痛い)
・奥に入れても必ず取れる
・取るときはまず踏ん張ってカップを下のほうに押し出す
・取るときは指をカップに沿って入れて密閉解除
・爪は短くしておく
折りたたみ方いろいろ
月経カップはそのまま入れられないので、手で折ってから腟に入れます。いろいろな折り方があるので、自分に合った折り方を探してみてください。
私は写真上の2つ、ハート型に折るのが合っていました。左下は三角折りですが、私には広がりづらかったです。
ハート(♡)の下のとんがっている部分から腟に入れると、スムーズでした!
着脱もだいぶ慣れてきましたが、やはり水で濡らしたりしないと難しいです。初心者さんや経血の少ない方、未産婦さん、怖がりさんは、ローションなどを使うことをおすすめします。
本当に快適で、月経カップをつけてボクシングの練習やスパーリングをしてもまったく問題なかったです!
たとえば、子宮内膜症でジエノゲストやピル内服中にどうしても不正出血が起きてしまう方、ナプキンを当てているとかぶれてしまう方にもおすすめできるなと感じました。
以上、実際に月経カップを使ってみた女性2人の感想をお伝えしました。
装着に慣れれば、生理期間であることを忘れてしまうほど快適に過ごせると話題の「月経カップ」。生理時のあらゆる不快感から解放されたい、生理期間中でも気にせずアクティブに過ごしたいという方は、ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか?
※本記事の内容は公開時に確認した情報のため、商品によっては変更となっている場合があります。
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協力/@kasmi.tbyさん、@renatkhshさん