2019年8月、幸せの便りは二つ同時にやってきた。
一つは会社から、成果を出し続けることで勝ち取った昇格試験の合格通知。もう一つは妻から、夫婦二人がずっと待ち望んでいた妊娠の報告。
大学時代から付き合っていた僕たちは、子どもを早く持ちたいという価値観が共通し、入社後すぐに入籍した。
それから9年間、振り返れば楽しくかけがえのない時間であったと同時に、「子どもを持ちたい」そう強く願う二人にとっては悩ましく、つらい9年間でもあった。
治療を含め妊活するも、妊娠できない原因もわからぬまま、闇雲に時間だけが過ぎていった。
半ば子どものことは諦めかけ治療もストップし、お互い好きなことをして生きようと決め、僕は昼夜を問わず仕事に邁進した。
営業職のため、やればやるだけ成果も上がり、マネージャーに昇格。会社からは厳しいフィードバックも多くなったが、期待のあらわれだと思って、歯を食いしばって働いた。
昇格から数日後、まさかもうそんなことは起きないと思っていたのに、妻からの驚きの妊娠報告を受け、嬉しくて嬉しくて二人でたくさん泣いた。そして将来生まれてくる子どものためを想い、さらに仕事に邁進した。
月日は流れ、緊急事態宣言の中、彼女は生まれた。
立ち会い出産ができない病院が多い中、立ち会いできる病院とご縁があり、10年待ったわが子を迎え入れることができた。
5月1日は、愛する人の幸せを願いすずらんを贈る「すずらんの日」。
僕たち二人に幸せを贈ってくれた愛する彼女に、生涯ずっと幸せであるように願いを込めて、“蘭”と名づけた。
寄稿/蘭パパさん
イラスト/まっふ
ベビーカレンダー恒例の人気企画「赤ちゃんの名づけエピソードキャンペーン」。2020年はコロナ禍で、妊娠中や出産時に不安な思いをしたママ・パパも多かったと思います。そんななか1,000件以上の心温まる素敵な名づけエピソードが集まりました。今回は、「名づけエピソード大賞」受賞エピソードを、ベビーカレンダー人気連載マンガ家まっふさんのマンガでご紹介しました。
「子どもの存在が親を強くする」
そのことを教えてくれるような蘭パパさんのエピソードに、ベビーカレンダー編集部でダントツの票を集め、見事大賞に選ばれました。
さまざまな名づけエピソードを知っていただくことで、一生に何度もない大切なわが子の命名の参考にしていただければ幸いです。ベビーカレンダーの「赤ちゃんの名づけエピソード」が、みなさんのお子さんを笑顔にするきっかけとなりますように。
【 赤ちゃんの名づけエピソード大賞とは 】
日本では毎年約90万人の赤ちゃんが誕生しており、赤ちゃんの数だけ名づけエピソードがあります。産まれる前から名前を決めていた家族、産まれてから決めた家族、何度も考え直した家族……名前の決め方はそれぞれですが、毎年赤ちゃんの名づけには傾向があります。
さまざまな名づけエピソードを知っていただくことで、一生に何度もない大切なわが子の命名の参考にしていただければ幸いです。ベビーカレンダーの「赤ちゃんの名づけエピソード」が、みなさんのお子さんを笑顔にするきっかけとなりますように。