生後11カ月、ついに呼吸の補助を卒業!酸素吸入器が外れた意外な理由

2020/12/23 18:25
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横隔膜ヘルニアという先天性疾患を持って生まれた息子さんを持つママの体験談です。生後11カ月の息子さんが風邪をひき、つけていた酸素吸入器を外すことになったそうです。心配なママでしたが意外な結果となったそうです。

生後11カ月、ついに呼吸の補助を卒業!酸素吸入器がはずれた意外な理由

 

「横隔膜ヘルニア」という先天性疾患を抱えて生まれたお子さんを持つママの体験談をお届けする連載企画です。横隔膜ヘルニアとは、本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気(※)。 おなかの子が横隔膜ヘルニアであると診断された妊娠中から出産までのできごとやママが感じた不安、生まれたお子さんの様子やその後の治療についてご紹介していきます。

(※)心臓や肺を圧迫するために心臓や肺の発育が悪くなります。これにより心臓の機能の低下や肺低形成・肺高血圧症をきたすため、出生後に手術を受けたあとも酸素療法や心不全に対する治療が長期に必要になることがあります。



酸素吸入器をつけ始めて5カ月ほど経った生後11カ月ごろ、寒い季節に差し掛かっていたこともあってか、息子は頻繁に風邪を引くようになりました。風邪を引くと鼻の粘膜が弱るのか、カニューラ(鼻の穴から酸素を吸いこめるようにする器具)で鼻血が出てしまうこともしばしば。定期健診のときにそのことを医師に相談したところ、「では、これを機に酸素を外してしまいましょう」という意外な言葉が返ってきました。

 

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カニューラと鼻水

息子は風邪を引くと鼻水が長引くタイプだったのですが、カニューラをつけている状態で鼻水が出ると困ることがたくさんありました。まず、鼻水が気になって、息子がやたらと鼻を触ってしまうこと。カニューラをつけたまま鼻を強くこすってしまうこともあり、何度か鼻血が出てしまいました。

 

また、風邪がひどくなってきて鼻水がねばねばになると、カニューラにくっついて固まってしまい、何度も取り外してふき取る必要がありました。

 

医師の意外な言葉

息子の鼻水に悩まされていたころ、ちょうどこども病院の定期健診がありました。困っていることを聞かれたので、息子が風邪を引きやすいことや鼻水でカニューラの取り扱いが難しいことを伝えると、「それならもう酸素は外してしまいましょうか」という驚きの言葉が返ってきました。


先月の健診で、「もう自力で呼吸できる状態ではある」と言われてはいましたが、「これから冬になっていろいろな感染症が流行る時期なのに大丈夫なの?」と心配になりました。


酸素吸入≠風邪を引きにくい

当時、私は何となくのイメージで、酸素吸入器をつけているほうがきれいな空気を取り込めている感じがして、病気にかかりにくいのだと思い込んでいました。しかし、医師によると酸素吸入によって鼻の内部が乾燥しやすくなり、どちらかというと菌やウイルスが体に入ってきやすい状態になっているそうです。


思っていたのとまったく正反対の話ではありましたが、言われてみると納得できる内容。実際、酸素吸入器を外してみると風邪を引く頻度は低くなり、鼻水が長引くこともなくなりました。

 

酸素吸入の機材はそのままに

こうして最後の呼吸補助である酸素吸入器が意外な経緯で外れた息子でしたが、それから数カ月の間、酸素吸入の機材は自宅に残したままにしておきました。健康な状態では呼吸に問題がなくとも、咳が出始めたりするとまた酸素吸入器の出番があるかもと考えたのです。


幸い使う機会はなかったものの、「酸素吸入器がいつでも使える」という状態は私に大きな安心感を与えてくれました。レンタル期間をこちらに任せてくれた医師には本当に感謝しています。

 

 

当時は呼吸の補助がついていることが絶対的に息子の体にとって良いのだと思い込んでいましたが、意外な側面があって本当に驚きました。あのとき相談していなかったら、その後も風邪を引き続けていたと思うので、きちんと相談してよかったです。

 

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

 


著者:岩崎はるか

2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療的ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院で農学を学んだ経験から食についても執筆。

監修者

医師 松井 潔 先生

小児科 | 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長


愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。


経歴

1986年 愛媛大学医学部卒業

1986-1988年 神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント

1988-1990年 同神経内科非常勤

1990-1992年 国立精神・神経センター小児神経科レジデント

1992-2005年 神奈川県立こども医療センター新生児科 医長

2005年− 同総合診療科 部長

 

■専門領域

小児科

小児神経

新生児

 

■所属学会・委員等

日本小児科学会

日本小児神経学会

日本周産期新生児医学会

日本てんかん学



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