出生前診断に積極的なフランス
フランスでは義務ではありませんが、出生前診断は積極的におこなわれており、費用も健康保険内で無料。年齢に関係なくほとんどの妊婦さんが検査を受けます。私は1人目の妊娠のときにも出生前診断を受けていたので、何の疑問も持たず検査を受けました。
検査は医師による超音波エコーと採血のみ。エコーは医師によりそのときに結果が伝えられ、採血は後日、異常があれば病院から連絡がくるという流れでした。エコーで「異常なし」の結果だった私は、何も心配せず結果を待っていました。
予想外の結果「異常あり」
採血を受けた1週間後、定期検査で病院へ行くと、助産師さんから「医師から検査結果の説明があります」と伝えられました。あまり心配していなかった私は「え……まさか異常あり?」と不安が襲ってきました。
医師からの説明では「21トリソミー(ダウン症候群)で高確率の結果が出た。高齢だと高確率の結果が出やすいが、基本エコーで問題なかったら心配いらない。しかし高確率の結果が出ているのでDPNI(日本におけるNIPT/無侵襲的出生前遺伝学的検査)の検査を受けてもらいます」とのことでした。
不安の1週間
DPNIとは、私のように採血検査で高確率の結果が出た妊婦さんが、羊水検査前におこなうスクリーニングテストだそうです。病院から帰宅すると夫に検査結果を報告。私たちはショックでしたが、冷静になって「もし赤ちゃんに異常があったらどうする?」と夫婦で真剣に話し合いました。
夫は「医師からエコーで異常なかったら心配しなくていいと言われたのだから信じよう」と声をかけてくれたので、必要以上の心配をしないよう心がけました。しかし、採血してから結果が出るまで1週間を要し、その間私は不安で押しつぶされそうでした。
そして採血して1週間後、病院から直接私の携帯電話に連絡があり、結果は「異常なし」。これまでの緊張感が一気にほぐれました。
私の場合は長男妊娠時に経験があったので、出生前診断を受けることは当たり前の流れでした。しかし、予想外の検査結果で私自身不安に陥りましたが、夫婦で改めてこれからの家族計画を冷静に話し合えたことはよかったと思っています。
※日本において人工妊娠中絶は、母体保護法により定められた適応条件を満たしている場合に限り、施行されます。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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監修/助産師 松田玲子
著者:岩見 エリ
1男の母。看護師歴12年、現在はフランスで出産し子育て中。