こんにちは、保育士の中田馨です。子どもの歯が生えてくるとそろそろ考えるのが「歯磨き」です。
皆さんのお子さんは、機嫌よく歯磨きの時間を過ごしていますか? 私には2人の子どもがいますが、息子は歯磨きがきらいで、次に生まれた娘は苦労なく歯磨きをしてくれました。保育所でも機嫌よくしてくれる子もいれば、「イヤ」と言ってしたがらない子がいます。今回は、子どもが気持ちよく歯磨きをしたくなるおすすめの絵本を紹介します。
『はみがきあそび』(偕成社)
きむらゆういちさんの「あかちゃんのあそびえほん」シリーズの1冊です。絵本にはいつものメンバー、ネコのミケ、ことりのピイちゃん、こいぬのコロ、かいじゅうさん、ゆうちゃんが出てきます。みんながごちそう食べたら、歯ブラシでお口の中をしゃかしゃかと磨きます。
しかけ絵本になっているので、子どもが集中してみてくれるのもポイント。ページをめくるときに少し間を空けると子どもの興味をよりそそってくれます。「いないいないばあ」など、シリーズの他の絵本も知っている子どもたちにとって、慣れ親しんでいるキャラクターが出てくることが読むときの興味や安心感にもつながっているように思います。
『ノンタンはみがきはーみー』(偕成社)
キヨノサチコさんの「ノンタン」シリーズの中の1冊です。ノンタンが「イイイのイ―して はみがき はーみー しゅこ しゅこ しゅ しゅ」と歯を磨きます。その後、ノンタンのお友だちのうさぎさん、たぬきさん、ぶたさん、くまさんも同じように歯磨きをします。ページをめくるたびに同じ言葉が並び、リズムよく本を読み進めることができるようです。
実はこの本、娘の歯磨きのときに役立ちました。仕上げ磨きの歯ブラシをガジガジ噛んで離さない娘に「ノンタンみたいに“イー”の口してみて~」と絵本を見せてみました。そうすると「イー」の口をしてくれたんです。その後はしばらく、『ノンタンのはみがきはーみー』が我が家の定番絵本となりました。他のシリーズでも読み慣れているノンタンのお話ですので、子どもの心に自然にスーッと入っていってくれるようです。
『わにさんどきっ はいしゃさんどきっ』(偕成社)
五味太郎さんの絵本です。ユーモアあふれる絵とお話に引き付けられ、子どもも保育士も好きな絵本の一つ。わにさんが「イヤだなあ」と思いながら歯医者さんに虫歯を治しに行きました。一方、歯医者さんもわにさんが来たので、こわごわ治療をスタートさせました。さあ、どうなることやら…と物語が始まります。
この絵本のおもしろいところは、同じ場面で同じ言葉が、わにさんからも歯医者さんからも出てくるところ。同じ言葉なのにそれぞれの感情が違ったり、一致したり、言葉遊びを楽しめる絵本です。読むときは、それぞれの気持ちになり切ってセリフを言うことで、子どもも絵本の世界を楽しむことができるでしょう。
『はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう!』(アリス館)
くぼまちこさんの絵本です。保育園に、電車好きな子どもが多いときに購入しました。はみがきが大嫌いな、たっくんのところへ、しゅっ しゅっ しゅっ とやってきたはみがきれっしゃ。ニコニコ笑顔のはみがきれっしゃが誘ったら、たっくんは「うん いいよ」と言って大きなお口をあけてくれます。そして、あっという間にお口はキレイになります。
電車好きな子どもたちは、身を乗り出して絵本を見ています。最後にはみがきれっしゃは家族4人分の歯ブラシ置きに帰ってきます。そのページが大人気!「青はパパ!」「赤はねえね!」など、自分の家族のことを想像しながらお話してくれます。実際に歯磨きするとき、特に仕上げ磨きをする時に絵本と同じように「はみがきれっしゃ、お口に入ってもいいかな?」っと誘ってみましょう。
はみがきに限らず、生活習慣を題材にした絵本を読むときに、思わずやってしまうことは「○○ちゃんも、キチンと歯を磨こうね!」と言ったり、お勉強として読んでしまったりすること。ときにはそれがプレッシャーになってしまうこともあります。あくまで絵本は遊びの一つとして取り入れましょうね。