こんにちは、保育士の中田馨です。子どもがグズグズいう、泣いていて抱っこしてもなんだか機嫌がよくならない。そんなときは、子どもの気持ちを心機一転させてあげたいですね。今回は、子どものぐずりや泣き止ませにおすすめの絵本を紹介します。
『もいもい』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
「本当に赤ちゃんがと一緒に楽しめる絵本を作りたい」と、科学的な研究を通して赤ちゃんのための絵本を作る「赤ちゃん学絵本プロジェクト」で作られた絵本です。よく「赤ちゃんが泣き止む本」として紹介されているのでご存知の方も多いかもしれませんね。
絵本の中には、赤と青のカラフルな“もいもい”が「もい もい」と現れます。ストーリーがあるわけではなく、いろいろな想像ができる絵本です。実際に私の保育所の0歳児が泣いているときに見せると、ぴたっと泣き止みました! また1・2歳児もこの絵本が大好き! 不思議な世界に吸い込まれるように、目をキラキラさせながら読んでいます。
赤ちゃんは生まれて間もないころから、赤や青などのはっきりした色に注目するという特性があります。この絵本は、そういった意味でも赤ちゃんの興味を引くのでしょうね。
本のセリフはほとんど「もいもい」。初めは読むのが難しく感じるかもしれません。平坦に読んでももちろん構いませんし、もしできるなら声を大きくしたり小さくしたり、間を開けてみたり、スピードアップしてみたり。読む側の大人も、いろいろな読み方をして楽しんでみてくださいね!
『しましまぐるぐる』(学研プラス)
かしはらあきおさんの絵の絵本です。前に紹介した「もいもい」と同様に、赤ちゃんは赤や青などのはっきりした色や白と黒のしましまなどに注目します。この絵本の裏表紙にも書かれていますが、20~30cmくらいの距離だと赤ちゃんも見えますので、その距離感で一緒に読むといいでしょう。
絵本は、1ページごとに、いろいろな“しましま”と“ぐるぐる”が現れます。どのページも色鮮やかな絵が描かれているので、赤ちゃんは興味津々! 実際に私の保育所でも読んでいますが、0歳児さんに読んでいると、1・2歳児さんも隣にやってきて、一緒に読んでいます。2歳児さんは絵本のぐるぐるを指でなぞって「しましまだね」「ぐるぐるだね」なんてお話ししながら読み進めています。0歳児だけでなく、幅広い年齢で楽しめる絵本です。
『だるまさんが』(ブロンズ新社)
かがくいひろしさんの『だるまさん』シリーズの1冊です。この絵本には、かなりかなり、助けられてきました! 子どもたちが少しざわついていたり、ぐずっているときに「“だるまさん”読もうかな」と言うと、パッとこっちを見て、体をぴょんぴょんさせてやってきます。子どもたちからリクエストされる絵本としても5本の指に入るくらいの人気の絵本です。
「だ る ま さ ん が」とだるまさんがゆれている絵の次のページで、だるまさんが転んだり、平べったくなったりと仕草を変えていきます。その姿が面白くかわいく、大人も思わず「クスッ」と笑ってしまいます。
読むときは、「だ る ま さ ん が」のページは、だるまさんと同じように少し体を揺らしてもいいですね。次のページをめくるときは、子どもの期待を感じながら少し間をおいてめくってみてもいいでしょう。
『やさいさん』(学研教育出版社)
亀山達也さんと中川敦子さんのユニットtupera tuperaの絵本です。初めて手に取ったとき、表紙のにんじんの顔に引き付けられました。中をめくると、しかけ絵本になっていて、畑に埋まっているにんじんさんやごぼうさん、かぶさんたちが、「すっぽーん」っと次々に抜かれていき、最後はかごいっぱいのいろいろな野菜が採れます。
この絵本も『だるまさんが』と同じように、保育所では、子どもたちがぐずっているときに「“やさいさん”読もうかな」と持っていくと子どもの気持ちを引き付けてくれる絵本のひとつです。
しかけ絵本をめくるときのドキドキ感はもちろんのこと、出てくるやさいさんの表情をみて「怒っている」「女の子」「ひげいっぱい! おじさん!」などと、子どもたちはお話ししながら読んでいます。お昼ごはんの前にこの本を読むときは「今日は、にんじんさんが入っているよ」なんてお話しすると、食べ物への子どもの興味も増してきます。
ぐずりや泣き止ませにおすすめの絵本を紹介しましたが、今回紹介した絵本だけでなく、お子さんが普段から好きな絵本でももちろんOKです。楽しい雰囲気の中で絵本を取り入れてあげてくださいね!