こんにちは!助産師のREIKOです。「なんだか、赤ちゃんが黄色い……」赤ちゃんが生まれて数日すると、そんな変化に気付くママも多いのではないでしょうか?程度の差はあれど、生まれたばかりの赤ちゃんにみられる生理的変化のひとつに「生理的黄疸」があります。今回は、この生理的黄疸についてお話します。
どうして黄色くなるの?【その1】
ヒトの赤血球の寿命は、大体120日くらいで、体の中で分解され、体の外に排出しやすいように形を変えていきます。そのときに作られるのが「ビリルビン」で、黄疸のもとといっていいと思います。
赤ちゃんは大人よりも赤血球の数が多く、その寿命も60~80日と短いので、ビリルビンがたくさん作られてしまいます。
どうして黄色くなるの?【その2】
体の中で作られたビリルビンは、すぐには体の外に出すことができないので、体の外に出しやすような形のビリルビンにする必要があります。それを肝臓で行うのですが、赤ちゃんは肝臓の働きがまだ未熟なのでなかなかビリルビンを変化させることができません。
そして、やっと外に出せるような形になったビリルビンの一部は、新生児特有の腸の働きによって再度体の中に吸収されてしまいます。
こうしていろいろなことが重なり、たくさんのビリルビンが赤ちゃんの体にとどまっているせいで、黄疸が生じる=赤ちゃんが黄色くなるんです。
ママはどうしたらいい?
赤ちゃんの肌、白目の色に注意しましょう!
黄疸が強くなると、肌や白目が黄色く染まって見えます。「黄色」というと、原色の黄色をイメージしてしまうかもしれませんが、日本人は黄色人種なので、もともとの肌の色がさらに濃くなったような感じといった方がイメージしやすいでしょうか?
しっかり飲んで、しっかり出す!
体の外に出ていくビリルビンは水に溶けやすいという性質があります。なので、おっぱいやミルクをしっかり飲んで、おしっこやうんちから出していく必要があります。
黄疸が強くなると、赤ちゃんが眠りがちになって、授乳に苦戦することもあると思います。あまり飲んでくれない、おしっこやうんちの回数が少ないような場合は、産院のスタッフに相談してみましょう。
黄疸が強くなると……
入院中、赤ちゃんのおでこや胸に器械を当てたり(痛みなどはありません)、血液検査をするなどしてビリルビンの値の推移を診ていきます。ビリルビンの値が基準値を超えると治療が必要になります。
最初に行われるのが「光線療法」です。光を当てることで、ビリルビンを体の外に出しやすい形にしてくれます。光線療法は、赤ちゃんを保育器に入れ、その上から全身に光を当てるタイプのものや、ブランケットのように赤ちゃんを包んで光を当てるタイプなど、いろいろな方法があります。
生まれたばかりの赤ちゃんは、外の世界に適応しようといろいろな変化が起きています。そこで、短い入院期間に起こる赤ちゃんの変化が生理的なもので、様子を見ていていいものなのか、それとも病的なものなのか、日々、産院のスタッフは注意深く見ています。
ママも、なかなか判断するのは難しいと思いますが、「なんだか昨日と違うなー」ということがあったら、遠慮なく聞いてみるといいですよ。
著者:助産師 REIKO
医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。