こんにちは、保育士の中田馨です。まだまだ寒い日が続きますね。保育所では室内にいる時間が長くなる冬の時期、子どもたちに絵本を読む時間も増えてきます。絵本はいろいろあるけれど、この時期だからこそ読んでみたい絵本も。今回は、私がおすすめするこの時期にちなんだ絵本を紹介します。
『ちいちゃくたって おっきな愛』小峰書店
ジーン・ウイリスさん作、ジャン・ファーンリーさん絵のしかけ絵本です。
この絵本、私の姉が息子の誕生日にプレゼントしてくれたもの。1回読んで心がほっこりして気に入ったので、何度も何度も息子と読みました。愛がたっぷりのかわいい絵本なので、バレンタインデーやホワイトデーのある2・3月にもおすすめです。
ねずみのちびちびくんには大好きな子がいます。
「だけどそのこは うえのほう。ずっとずっと うえのほう。ちびちびくんは ちっちゃいけど キスしたいから がんばった」
ちびちびくんは指ぬきやマッチ箱、すいかなどに乗って、大好きな子に届くようにめちゃくちゃ頑張ります。頑張るんだけど、失敗してしまいます。でも、そんなちびちびくんをみて、大好きな子が動き始めます!
最後は本当にほっこりしますよ。絵本を読み終えたら、子どもとキスしたくなる絵本なので、私は毎回子どもとキスしていました。
『ペンちゃんギンちゃん おおきいのをつりたいね!』ポプラ社
宮西達也さんの絵本です。宮西さんはユーモアたっぷりなので、私の大好きな作家さんのひとりです。
「あかい ぼうしの ペンちゃん きいろい ぼうしの ギンちゃん」二人は仲よしでいつでも二人で遊んでいます。
そんな二人が「つりに いかない?」と釣りに出かけます。「おおきいのを つりたいね」と言って釣りを始めた二人。そうすると早速、ペンちゃんの釣り竿に魚がかかります。でも、魚は逃げてしまいます。「あーあ おおきな サカナだったのにな」と言うペンちゃんにギンちゃんは「ちがうよ! ちっちゃな サカナだったよ」と言い「なに いってるのさ、ギンちゃん。あの サカナは おなかが おおきかったんだよ」なんて、負けず嫌いなやり取りをお互いが何度も繰り返して、お話は進んでいきます。
最後には二人とも「うそつき!」とケンカに発展し、ペンちゃんが怒って帰ろうとしたときに、ギンちゃんの釣り竿に再びサカナが。最後にとんでもないサカナが!
この本を読むときに、私が大切にしていることは、繰り返しの言葉のやり取りの楽しさを、テンポよく話すことで表現すること。そして、最後のシーンのビックリ仰天の表現です。子どもがビックリするので、読み手もビックリして楽しく読めるといいなと思います。
『てぶくろくろすけ』福音館書店
川崎洋さん作、長新太さんが絵をかいている本です。冬にしか登場しなくて、多くの子どもたちが大好きな手袋が主人公です。
部屋はほかほか暖かく、手袋のおとうさんも、おかあさんも、お兄ちゃんもみんなぐっすり寝ています。そんな中、てぶくろくろすけの片方は、そっと戸を開けて外へ遊びに行きます。外に出ると、雪でピカピカ光っていて、胸をどきどきさせながら走り始めます。
「さあ、なにをして あそぼうかな」そうしてたどり着いたところは「てぶくろこどもこうえん」。あっちにもこっちにもいろいろな手袋が遊んでいるのです。「ぼくも なかまにいれてよ」とみんなの方に行くのですが、片方だけのてぶくろくろすけは、じゃんけんやあやとりなどの遊びができません。こうして話が進んでいきます。
この本を読んだ後に「○○ちゃんの手袋も、もしかするとお出かけするのかな?」なんて話をすると子どもはその様子を想像して、きっとウキウキするはずです!
『おふろだいすき』福音館書店
冬の寒い情景が描かれた本の後は、体が温まる絵本を紹介します。
松岡享子さん作、林明子さんの絵の絵本です。温かみのある林さんのお風呂の絵は、その湯気から本当に暖かさを感じるので、大人でも「触ったら温かいのでは?」と思ってしまうほど。
お風呂が大好きな「ぼく」があひるのプッカといつものようにお風呂に入っていました。「ぼく」が体を洗っているときに、プッカがお湯の中を覗くと大きなかめが現れます。そして、ペンギンとオットセイなどどんどん水辺の生き物が現れるのです。最後はクジラまで現れて。みんなで50まで数えてお風呂から上がります。
この本を読むと、今すぐお風呂に入りたい気持ちになります。「お風呂って気持ちいいよね。温かいよね」なんて会話をしながら、お風呂の楽しさや気持ちよさをお子さんと一緒に共有してみてくださいね!
この寒い季節だからこそ味わうことのできる題材の絵本を取り入れてみると、子ども自身が、雪や氷は「冷たくて寒い」「寒いときのお風呂は温かい」などの経験をしていますので、子どもの想像力もさらに膨らみます。ぜひ、取り入れてみてくださいね!