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怒鳴ったところで聞いちゃいない。私が子どもを「怒らない」理由【3児ママ小児科医のラクになる育児】

東京衛生病院小児科の小児科医、私生活では8歳6歳4歳の子育て中という3児のママ小児科医保田典子先生のコラム。今回は、保田医師が「怒らない」理由を教えてもらいました。その理由とは?

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師保田典子 先生
小児科 | 高円寺こどもクリニック院長

2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。
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私が「怒らない」理由

 

こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では8歳、6歳、4歳の子どもを子育て中の3児の母です。今回は「叱りかた」についてです。家にいることが増え、子どもにイライラしたり、叱ることも増えたかたも多いのではないでしょうか。

 

私は医師という仕事柄、在宅時間は増えていませんが、子どもが3人になり、大きくなってきてやっぱり叱ることは増えました(汗)。自分への自戒をこめて、効果的な叱り方をお伝えしたいと思います。

 

「叱る」と「怒る」は違います

まず、「叱る」と「怒る」は違います。「怒る」は顔を真っ赤にして怒るなど、自分の感情をぶつける行為で、「叱る」は諭すように言い聞かせるようにすることです。なるべく感情に任せて怒ってしまうより、叱ることで子育てしたいですよね。私も“ついつい”怒ってしまうことがあります。

 

そう、「怒る」って湧き上がってきてしまう感情で、コントロールできないものと思いがちですが、アドラー心理学では怒ることにも「人は目的があって感情を使っている」と考えています。つまり、私たちは意図的に「怒る」ことを選択しているという考え方です。

 

この考え方を知ってから、怒ってしまったあとは「“つい”じゃなくて、私はガミガミするって選択して怒ったんだな」と考えるようにしました。

 

私が怒らない理由

あまり感情的に怒ってばかりだと、子どもの脳が傷つくという研究も出てくるようになって(※1)、なるべく怒らないように気をつけています。私のそこまで長くはない子育てライフの中で習得した、怒らないコツがあります。

私が怒らない理由

 

怒りにまかせて怒鳴っても子どもは聞いてない

怒ったときの子どもの様子を見ていると、「悪いことしちゃった」よりも「ママすんごい怒ってる!」ということしか感じていないなとわかりました。注意して同じことを繰り返さないためにも、きちんと子どもにわかってもらえる伝え方をしないとダメだなと感じ、感情的に「怒る」回数が減りました。

 

親がガミガミ言わなくても子どもは習得できる

親がガミガミ言っても、子どもはすぐには習得できません。ガミガミ言わなくても、何回、何十回と失敗をくり返すことで、子どもはちゃんと覚えてくれます。子どもの学びを待ちたいと思っています。

 

「親を困らせたくて怒られることをしているのではない」と肝に銘じる

子どもは(特に)ママのことが大好きです。大好きな人を困らせたくてやっていることではありません。でも、やってしまう。「ママはこういうことされて、悲しい、困る」などを伝えることで、より子どもの心に響くのではないかなと思っています。

 

叱るときに注意すること

テンパっているときなど、私もついつい怒ってしまいます。その中でも気をつけたいことが3つあります。

 

①返答できないような怒り方を避ける

「何でそんなことしたの!?」のような子どもが答えにくい怒り方をしないようにしています。

 

②否定形を使わないようにする

注意するとき、例えば「走らない!」ではなく、「歩いて」にするなど否定形の言葉を使わないようにしています。でも、これは言い換えできないことも多く、難しいなと感じています。

 

③「ほめるは1秒、叱るは3秒」を意識する

教えてもらった言葉です。ほめるときはすぐに(1秒)、叱るときは3秒待て、という意味です。もちろん、命に関わるようなことはすぐ注意しないといけませんが、それ以外は怒りたくなったら一呼吸(3秒)おくことで、冷静に注意することができます。

 

④主語は「わたし」で伝える

難しいコーチングや子育ての理論はすぐ忘れてしまうので、私はもっぱら「アイメッセージ」と言って、「(あなたは)〇〇しなさい!」「〇〇しちゃダメ!」という“YOUメッセージ”ではなく、「(わたしは)〇〇してほしいな」という“I(アイ)メッセージ”を使うようにしています。簡単に意識できて子どもに伝わりやすい方法なので、ぜひ試してみてください。

 

※1)日本小児科学会 『子ども虐待診療の手引き』27.マルトリートメント症候群の長期予後

 

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