「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【専門家に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、2021年1月に寄せられた相談のなかから、回答が役に立ったとの声が多かった「育児中のイライラ」に関するご相談です。
Q.育児し出してからイライラすることが増えてきました
生後10カ月になる子どもを育てています。妊娠中よりも、育児し出してからイライラすることが増えてきました。大人の思い通りに動けないのはわかっているのですが、時間に追われて自分の時間がないのがつらいです。夜も一緒に寝ないと寝てくれないし、そのまま寝てしまい、夜中も泣かれて昼寝もできないし睡眠不足です。朝早く自分だけ起きようとしても、気配でわかるのかすぐ起きられます。たまに成功して早く起きられても、家事をしていたらあっという間です。
イライラして怒鳴ってしまい、夫にもなぜそんなに怒るのか非難されます。支援センターもよく利用してママ友もできましたが、イライラするなんて悩みは相談できず……。怒鳴っても謝って抱きしめたら大丈夫でしょうか? 子どもとの仲だけでなく、夫婦仲も悪くならないか心配です。
高塚あきこ助産師からの回答
産後はどうしても、ホルモンバランスが大きく変化したり、睡眠不足や疲労から、心身のバランスを崩しやすくなることがあります。お子さんが泣き止まなかったり、思い通りにならなかったり、なかなか寝てくれなかったりすると、イライラしてしまったり、余裕がなくなってしまうこともありますよね。どんなに優秀な方でも、一度や二度は経験があるかと思います。
子育て支援センターなどで他のママさんを見ていると、みんなやさしくて余裕があるように見えますが、実際には、多くのママさんがお子さんやご主人に強めに対応してしまったり、イライラしてしまうことは多いと思います。質問者さんだけではありませんよ。
お子さんと過ごすなかで、どうしてもその場にいらっしゃると、イライラが募ってしまいますので、少し距離を取って冷静になって一呼吸おいてみてもいいですよ。しばらく泣かせてしまったり、お子さんの対応ができなくても大丈夫ですので、ママさんのお気持ちが落ち着くまで、少し離れていただいて良いですよ。テレビを観たり、お茶を飲むなど、少し気分転換なさってみてくださいね。
また、ママさんはお子さんの対応をなさる一方で、なかなかご自身のストレスや思いのはけ口がなく、しんどい状態が毎日積み重なってしまうことも多いですよね。周りに頼れたり、お話できる方がいらっしゃらない場合も多いかもしれません。なかなかコロナ禍で外出もできない時期ですが、もしおつらい場合には一度お住まいの地域の保健師にご相談なさってみると良いかと思います。話を聞いてもらったり、思いを吐き出すだけでも、頭が整理されたり、気分がスッキリすることがありますよ。また、今必要なサポートや行政のサービスなどを紹介してもらうことで、うまく活用なさるとママさんがじょうずに気分転換をなさる機会が得られると思います。
また、お子さんはママさんが一時的に強めに対応してしまっても、日々、自分のお世話をしてくれたり、愛情を注いでくれていることは小さいながらに十分理解していますよ。ですので、一時的な対応で、ママさんを嫌いになったり、怖いと感じることはありませんので、自信を持って育児なさってくださいね。
※参考:ベビーカレンダー「専門家に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください。
多くのママがイライラし、日々悩んでいる
1月の注目を集めた相談上位50件のうち、約1/4がママの心に関する相談でした。寝かしつけがうまくいかずイライラする、赤ちゃんを叱るのではなく怒ってしまう、協力的ではないパパにイライラする……そして、そんな自分が嫌になる……という相談が多く見られ、質問に対する専門家の回答にも多くの注目が集まりました。
パパが多忙だったり、近くに頼れる人がおらず、ワンオペで育児をしなければいけない状況に加え、今はコロナ禍。子育て支援センターなどへのお出かけをひかえているというママも少なくありません。気軽に人に会えない状況もママが悩み事をひとりで抱え込んでしまう背景になっているかもしれません。
相談窓口はたくさんあります
高塚助産師がアドバイスしているように、困ったこと、わからないこと、不安なことなどがある場合、保健師に相談することで問題の解決に繋がることもあります。保健師は、保健センター、保健所・企業や事業所、病院、保育所や障害者・児の入所・通所施設、学校や大学等研究機関、NPO・NGOなどさまざまな場で活動しています。
自分が住んでいる地域の保健師に相談するのも1つの方法ですが、相談窓口はほかにもいろいろあります。
精神保健福祉センター等
精神保健福祉センターでは、保健師や精神保健福祉士などの専門職が、面接や電話などにより悩みの相談を受け付けています。精神保健福祉センターは、各都道府県(指定都市)に設置されています。
働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」
「こころの耳」は、こころの不調や不安に悩む働く方や、手助けをするご家族の方、職場のメンタルヘルス対策に取り組む事業者の方などの支援や、役立つ情報の提供を目的に作られた、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトです。職場のメンタルヘルスに関する情報提供や、産業カウンセラーなどが メールや電話で健康相談を受け付けています。
DV相談ナビ
配偶者や恋人からの暴力(DV)に悩んでいることをどこに相談すればよいかわからないという方のために、全国共通の電話番号:0570-0-55210に電話をすると、発信地などの情報から最寄りの相談機関の窓口に電話が自動転送され、最寄りの相談窓口に相談できます。携帯電話やPHS、公衆電話からも利用できますが、相談は各機関の相談受付時間内に限られています。
児童相談所・児童相談所虐待対応ダイヤル
最寄りの児童相談所や児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いち・はや・く)」では、子育ての悩み、虐待の相談などについて、電話相談を受け付けています。児童相談所虐待対応ダイヤルは通話無料です。児童相談所には、児童相談所相談専用ダイヤル:0570-783-189(なやみ・いち・はや・く)もあり、こちらは有料となっています。
よりそいホットライン等
よりそいホットラインでは、電話、FAX、チャットやSNSによる相談に専門の相談員が対応してくれます。悩みの内容は、暮らしの悩みごとやDV・性暴力などの相談、外国語による相談をしたい方など多岐にわたっています。まずは、0120-279-338(岩手県、宮城県、福島県からは、0120-279-226)に電話してください。
ママが悩んでしまうのは赤ちゃんのことを思っているからこそだと思います。10数年続く育児期間にはさまざまな悩み事があり、尽きることはありません。しかし、育児にかかわらず、「こうあるべき」「〇〇しなければならない」という考えは、時に自分の思考や行動を制限し、気持ち的にもしんどくなってしまうことがあります。こんなことを相談してもいいのか、初対面の人には話せないという方もいらっしゃるかもしれません。ですが、保健師をはじめとする専門家はたくさんのケースと関わっていろいろな解決策をもっています。ひとりで悩まず、相談してみてくださいね。
※参考:ニュース(医療):【厚労省】コロナ禍で急増!?夫婦問題、子育て、仕事…不安を抱えこむ前に【著者:助産師 REIKO】
ベビーカレンダーは、妊娠や育児のお悩みを抱えたママさんの強い味方でありたいと思っています。自分だけではどうしても解決できなかったとき、不安で仕方がないときは本物の助産師や管理栄養士がリアルタイムでお悩みや質問にお答えする『専門家に相談』の掲示板をぜひご活用ください!