クックパッドベビーをご覧のみなさん、こんにちは!助産師のREIKOです。
なでしこジャパンのキャプテンとして活躍し、長年女子サッカーを牽引してきた澤穂希さん。昨年、結婚、現役引退、そして7月19日、第1子妊娠を発表されました。そんな彼女も現在37歳。高齢妊婦さんのおひとりでもあります。
日本では年々増加傾向にある、高齢妊娠・出産。今回はそんな高齢妊娠・出産についてお話しします。
高齢妊娠・出産って?
皆さんも1度は耳にしたことがある高齢妊娠・出産。高齢妊娠に関しては、日本産婦人科学会で「35歳以上の初産婦」を高「年」妊婦と定義づけています。高齢妊婦には経産婦さんは含まれていないんです。
以前は、30歳以上の初産婦と定義づけられていたのですが、女性の社会進出、晩婚化に伴って、30歳以上の出産が増えたことやWHOなどが「35歳以上」と定義づけていることもあり、日本でも「35歳以上」と変更になったんです。
高齢妊娠・出産のリスク
30代半ばといえば、まだまだ元気!仕事をバリバリこなしている方も多いことでしょう。しかし、体のなかでは老化が始まっています。もちろん卵子もです。
そのため、自然流産や染色体異常のリスクが高くなります。それ以外にも、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、おなかの中で赤ちゃんの発育が遅れたり、死産率が増加したりと、さまざまなリスクがあります。
ほかにも、体力的な面、自分の親も高齢で育児協力が期待できないなどのデメリットもあります。
経産婦さんも注意が必要!
先ほど、高齢妊婦とは35歳以上の初産婦さんであるとお話ししました。しかし、高齢妊娠に伴うリスクは初産婦さんだけでなく、経産婦さんにも起こりうることなので、注意が必要です。
確かにリスクだけを挙げると、不安になってしまいますよね。でも、これらのリスクが、すべての高齢妊婦さんに出るわけでなく、元気に出産、育児をされている方もたくさんいらっしゃいます。
リスクやデメリットだけじゃない!
高齢出産というとリスクばかりが目立っている印象ですが、メリットだってあるんです。
高齢妊婦さんは、社会に出ていろいろな経験をしている分、思いもよらないことに対応できる力や、人脈、何より経済的な安定感を持っていると思います。
子育ては、思い通りにいかないことも多いでしょうし、お金もかかります。そんなとき、これまでの経験を生かせるのではないでしょうか。
どんなに順調に経過しても、いつ何時、何が起こるかわからないのが、妊娠・出産です。リスクが少ないことに越したことはありませんが「リスクがある=ダメ」ということではありません。起こりうるリスクに対して知っておくことで、予防も対処もできるようになると思います。
高齢妊婦だからと不安を募らせるのではなく、安心して出産、育児ができるように準備をしていきましょう!(TEXT:助産師 REIKO)