こんにちは、保育士の中田馨です。温かなだんだん春らしい風が吹くようになってきました。今回は、春の時期だからこそ読みたい、私がおすすめする絵本を紹介します!
『ねんねん のはら』福音館書店
あまんきみこさん作、ほさかあやこさん絵の月間予約絵本「こどものとも0.1.2.」シリーズの中の1冊です。この絵本、息子が0歳のときからずっと「寝る前の定番絵本」でした。
「ちゅうちゅうねずみがあそんでいると、ねずみのかあさん よびました」「ねんねん のはらに いらっしゃい」 「ねんねん のはらの くさのなか ねずみのかあさん うたいます。ちゅうちゅうちちち ねんねんよ」ねずみの次はうさぎの親子、きつねの親子、ぶたの親子、そしてぼうやの親子がやってきて、同じリズムの言葉を繰り返し、ねんねんのはらで、みんなが母さんにもたれながらお昼寝をするお話です。何ともほっこりと優しい気持ちになる1冊です。
この本を読むとき、最後の「ぼうや」は自分の子どもに置き換えて読みます。そうすると子どもは、自分が絵本の中に登場している感覚になり、とても喜びます! 我が家では、あまりにも何度も読んだので、私も子どもも覚えてしまい、絵本を開かず、布団に入って子守歌のように2人で歌いながら寝ました。
『わたしのワンピース』こぐま社
にしまきかやこさんの絵本です。
うさぎさんの元に、まっしろなきれが ふわふわって そらから おちてきます。そのきれをつかって、うさぎさんは「わたしの ワンピース」をミシンで作り始めます。真っ白なワンピースを着たうさぎさんは楽しそうにお花畑を散歩すると、ワンピースが、花模様になりました。
うさぎさんが行く先々で、ワンピースは、雨模様、草の実模様、鳥さんの模様など次々と模様を変えていきます。どの模様になっても、うさぎさんは「ラララン ロロロン」とうれしそうにのはらを歩きます。
言葉と場面の切り替わりにリズムがあり、それに引き込まれるように、子どもは目をキラキラさせながら絵本を読みます。おうちにあるワンピースを着て「うさぎさんのワンピースみたいだね」なんてお話しながら、お散歩するのも楽しいですね。
『14ひきのぴくにっく』童心社
いわむらかずおさん作の「14ひきのシリーズ」の中の1冊です。
「今日はなんていい天気」。おじいちゃん、おばあちゃん、おとうさん、おかあさんそして10人の子どもたちは家族みんなでおにぎりを持ってぴくにっくに出かけます。野原に出ると、お花が咲いて、ちょうちょが飛んで、つくしが生えて、水たまりにはカエルの卵が。春がやってきたことが絵を見て分かります。
この絵本が出たのは私が8歳のとき。親に何かが欲しいとおねだりすることがあまりなかった私が「欲しい!」とお願いした一冊です。だからか、とっても思い出があります。対象年齢は3才からですが、いわむらさんの丁寧に書かれた自然豊かな風景は、大きくなっても大人になっても楽しめます。この本を読んでから、家族でおにぎり持ってぴくにっくに行けたら楽しいですね。
『はなをくんくん』福音館書店
ルース・クラウス作、マーク・サイモント絵。50年以上読まれている名作絵本です。
冬の森には雪が降っています。のねずみも、くまも、かたつむりも、りすもみんなそれぞれの巣で眠っています。でも、みんなが急に目を覚まします。「はなをくんくん」させて。のねずみも、くまも、かたつむりも、りすもみんなはなをくんくんさせながら巣から飛び出します。そして、みんな止まって春を見つけて笑い出します。
ママと一緒にお散歩に出たときに、春を見つけたら「はなをくんくん」を思い出してもいいですね。逆に、絵本を読んでいるときに「今日、〇〇ちゃんも春を見つけたよね」なんてお話ししてもいいですね。暖かな気候と、春が来る待ち遠しさを、絵本を通して親子で感じてみてください。
豊かな春の自然に触れることができない時も、絵本を通してそれを子どもに伝えることができます。つくしはなくとも、家の周りには必ず何かしらの「春の風景」があるはず。ぜひ、身近な春を感じてくださいね!