こんにちは、保育士の中田馨です。新年度がスタートし、保育園生活がいよいよ始まった!という親子もいることでしょう。私の保育所にも、新しい子どもたちがやってきて慣らし保育がスタートしました。
今回は、保育士の立場から「お父さん、お母さん。実はそれ、保育士は困っているのよ」という、エピソードをマンガで紹介します。
保育園をのぞきにくる
保育中に保育園の周りを何度も通って、外から保育所をのぞいたりする保護者が時々います。特に慣らし保育のときに多いかもと思います。慣らし保育期間は特に、親と保育士の信頼関係がまだできていません。子どもも泣いたり不安な顔をしていますので、「大丈夫かしら……」「泣いてかわいそう!」と思う親心はとってもわかります。
私も2人子どもがいますので、幼稚園・小学校と新しい環境に入るたびに「新しい環境は大丈夫かしら」と思ってきました。でも、保育園に預けたら保育園を信じることが大切。慣らし保育は、子どもが保育園の生活に慣れることが大きな目的ですが、親が子どもと離れて過ごすことに慣れる目的もあります。せっかく慣れようとしている子どもが万が一親を見つけてしまうと逆効果になってしまうこともあるので、一度預けたらお迎えの時間までは待ってもらえると助かります。
お散歩中の写真を撮る
保育中に、おばあちゃんやおじいちゃんを含めたご家族と出会うことがあります。家庭で見るいつものわが子と違い、保育園の帽子をかぶり、お友だちや先生と手をつないで歩く姿を見ていると「わああ! なんてかわいいんだ!」と思いますよね。わかります、わかります! 私もわが子の校外学習などに出会ったことがあるので、いつも以上にわが子の姿にキュンキュンしました! でも、そのキュンキュンだけでストップです。
思わずスマホを取り出し「パシャ!」っと撮ってみたくなりますが、それはやめてください。お子さんは今、保育園の生活時間です。そして、他のお友だちのプライバシーもあります。保育士は、子どもの安全に集中しながらお散歩しているところを、「写真は撮らないでください」と保護者に意識を向けなければいけません。そして、お母さんたちを注意しなくてはいけない場面を子どもに見せたくありません。
そんなときは、「ああ。今日はかわいい姿見られてラッキーだった!」と思って、写真ではなくご自身の目に焼き付けてくださいね。
送迎時に毎回長話をする
送り迎えのときに、ずっと1人の保育士と話し込んでいるお母さんがいます。特に、保育園に入って間もなく、仕事復帰をしていないお母さんに多い傾向があります。
保育士の仕事には、育児相談を受ける仕事もあります。でも、送迎時などは保育士にとっても忙しい時間でもありますので、お母さんとお話ししていると、子どもを保育できていない状態になってしまいます。
できればじっくり話せるように、保育士に折り入ってお話しすることがあるのなら、あらかじめ時間を作ってもらえるようお願いをしてみましょう。
重要なことを言ってくれない
重要なことの1つが「子どもの体調面」です。保育園では、熱や下痢・嘔吐などの症状がある、体調の悪いお子さんをお預かりすることができません。朝、平熱だったのに、あれよあれよと熱が上がり、慌ててお母さんに電話をかけると「実は昨夜、高熱が出て、解熱剤を入れたんです」とのこと。つまり、完全に熱が下がっていたわけではなく、薬で一時的に熱が下がっていたのです。
こんなときは、保育園を休む選択をするのがいいのですが、仕事が休めず不安になりながらも保育園に預けたママの気持ちもわかります。ですが重要なことは、必ず保育士にそのことを伝えてください。連絡帳に書いて伝えるでもOKです。伝えてもらっているだけで「今日はゆっくり過ごそう」と、子どもの1日の生活が変わってきます。保育士は、体調不良の子どもを保育する専門家ではありません。子どもの体調不良時は病児保育などの選択肢もありますので、そちらを利用しましょうね。
普段、なかなか保育士から言いにくいことですが、やっぱり大切にしてほしいことを書きました。保育園と長く付き合っていくなかで、お互いが気持ちよく信頼関係を築いていくためには、もちろん保育士の努力も必要ですが、お母さんたちの協力も不可欠なのです。
作画/山口がたこ
5 分?10 分?
あと、「お母さん」「ママ」など、母親中心になっており、本題じゃないところが気になっちゃいました笑
上の子保育園に預けてた時は働いてたし。