こんにちは!助産師のREIKOです。妊娠22週以降、37週未満で、規則的なおなかの張りや下腹痛、出血などの自覚症状があり、超音波検査で子宮口の開大や子宮頚管が短くなっていることが確認されると、「切迫早産」と診断されます。妊娠週数が早ければ早いほど、赤ちゃんのリスクは高まります。
今回は、切迫早産と診断されたときに、どのような治療をするのか、お話ししたいと思います。
まずはとにかく安静!
症状とママやおなかの中の赤ちゃんの状態によって、そのままお産へということもありますが、切迫早産の多くは、切迫早産の原因に対する治療を行い、できる限り症状を抑えて、妊娠週数を稼ぐといった方針を取っていると思います。
切迫早産の症状の度合いによって、自宅で安静にして、通院しながら経過を見る場合と入院して治療する場合とに別れます。
自宅安静と入院、いずれにせよ必要なのは安静です。上にお子さんがいらっしゃるママは難しいかもしれませんが、なるべく横になって過ごしましょう。
入院が必要なママの場合は、症状によって安静の度合いが変わってきます。私が働いていた病院では、入院はしているけれど、ほぼ普段通りの生活が可能なケースから、絶対安静で食事もトイレも寝たままというケースまでありました。
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切迫早産の治療~塩酸リトドリン~
切迫早産の治療は安静に加えて、お薬を使用する場合があります。切迫早産の治療薬というと「塩酸リトドリン」。ウテメリンという名前で聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
このお薬は、おなかの張りを抑える作用があり、副作用として動悸があります。内服でおなかの張りが落ち着かない場合は、点滴に切り替わります。点滴の場合も動悸、手の震え、ほてり感などを訴えるママたちが多くいらっしゃいました。
切迫早産の治療~硫酸マグネシウム~
切迫早産の症状によって、お薬の量を調節していきますが、ウテメリンだけでは症状が落ち着かない場合は「硫酸マグネシウム」、マグセントというお薬も併用することも。こちらのお薬もおなかの張りを抑える作用があるのですが、だるさを訴えるママが多くいらっしゃいました。
極めて稀なケースで、さらに重い副作用が出ることがあるので、そうならないように症状を注意深く観察し、お薬の血中濃度などを検査して点滴の量を医師が調節しています。
治療はいつまで?
切迫早産では、おなかの中の赤ちゃんが成長していく過程で、体重が1,000ℊを超える、肺が成熟する、生まれてからの合併症のリスクが低くなる、などといった時期を一つひとつ目標にして、治療を続けていきます。
妊娠週数を重ねて、点滴を切るタイミングは施設によってさまざまなようですが、妊娠35週くらいで点滴をやめるところが多いのではないでしょうか。
「点滴を切ったらすぐ生まれてしまうのでは!?」と思われるかもしれません。確かにそういうケースもあります。でも、切迫早産で長く入院していたのに、予定日を過ぎてから生まれたという赤ちゃんもいました。
妊娠中、まったくおなかが張らないということはありません。でも、おなかが張る回数が多かったり、痛みがあったり、何かいつもと違うと感じたときは受診をおすすめします。せっかちな赤ちゃんには、ママからも「まだだよー」ってお話してあげてくださいね。
著者:助産師 REIKO
医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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