こんにちは、保育士の中田馨です。離乳食が始まるころになると「実は、うちの子こんな感じなんですが…」と相談されることがあります。誰に聞けばいいかわからない離乳食初期のお悩みについて、今回はお話しします。
離乳食を「べーっ」とすぐに出してしまう
よくあるお悩みです。口に入ったかなと思ったら、すぐにベーっと離乳食を押し出してしまう赤ちゃんを見ると「おいしくないのかな」と不安に思ってしまいますね。赤ちゃんにこんな姿が見られたら、以下をチェックしてみましょう。
1つ目は、「舌突出反射」があるか?
これは、おっぱいやミルク以外の固形物を口に入れると反射的に舌で押し出す、自分の身を守るための大切な反応です。生後4カ月ごろに消失していくのですが、生後5カ月ごろでも残っている場合があります。そのときは、反射が消失するまで離乳食をお休みして、再度開始してみてもいいですね。
2つ目は、離乳食にポータージュ状になっているか?
これまで、母乳やミルクしか飲んでこなかった赤ちゃんですので、離乳食に少しでも粒があると気になってしまうこともあります。離乳食が滑らかなトロトロのポタージュ状なっているかを確認してみましょう。
市販のベビーフードのほうが食べる
手作りの離乳食をあまり食べてくれないから、市販のベビーフードはどうかなと与えてみると、思いのほかパクパク食べてくれた!
うれしい反面「私の作った離乳食はおいしくないのか…」と少し落ち込んでしまうママもいます。市販のベビーフードは、きれいに滑らかなトロトロの状態。赤ちゃんにとって食べやすい形状になっています。また、かぼちゃやにんじん、さつまいも、リンゴ、桃など甘みのある食材を使っているものも多いですね。甘みがあると、赤ちゃんが好んで食べてくれる傾向があります。
では、ママはどうすればいいのでしょうか?
ぜひ、市販のベビーフードを参考に作ってみてください。
・甘みのある食材を取り入れてみる
・粒がなくなるよう丁寧に裏ごしをし、湯ざましなどを加えてトロトロに仕上げてみる
もし、それで赤ちゃんが食べなければ、手作りの離乳食に市販のベビーフードをミックスしてもいいでしょう。例えば、手作りの豆腐の裏ごしに、市販のかぼちゃペーストをかけてみたり。手作りも市販のベビーフードも両方少しずつ取り入れてみればいいんですよ。
離乳食を始めたらうんちの様子が変わった
大人にとっても赤ちゃんにとっても、うんちは健康のバロメーター。少しでも様子が違うと「あれ?」と思ってしまいます。
離乳食をスタートした時期によくあるのが、「うんちがやわらかくなった」や、逆に「うんちが固くなった」というお悩みです。
これまで、母乳や育児用ミルクしか飲んでこなかった赤ちゃんの腸は、離乳食を食べたことによって腸内環境が変わってうんちに変化が起こるのです。なので、元気で機嫌がよく、おっぱいや育児用ミルクをよく飲んで食欲もあるなら、心配ありません。
例えば、赤ちゃんの機嫌が悪い、ぐったりしている、うんちが水っぽくて何度も出る場合などは、医師の受診をするといいでしょう。うんちが固い場合は、おなかを「の」の字でマッサージをしたりなど、赤ちゃんがうんちを出しやすいようにママが働きかけてみてもいいですね。
どこまで食べさせていいかわからない!
「食べてくれない」というお悩みがあるなか、「よく食べて困っている」というママもいます。
私の場合、息子は食べない子、娘はよく食べる子だったので、どちらの悩みも経験しています。離乳食初期からよく食べる子を見ていると、与えている大人のほうがうれしくなってしまい、もっと与えたくなってしまうものです。
でも、少し待ってください!赤ちゃんの内臓機能は未発達ですので、いきなりたくさん食べさせると消化不良を起こしてしまうこともあります。離乳食初期はいくら赤ちゃんが欲しがっても、目安量を守り、離乳食後に満足するまで授乳してあげましょう。赤ちゃんの体調の様子を見ながら、少しずつ離乳食の量を増やしていくのが基本です。焦らず、慌てずが、特に離乳食初期は大切です。
離乳食がスタートしたばかりで、食べることへの期待や喜びもいっぱいだと思います。穏やかな雰囲気の中で「食べるって楽しいな!」と思える経験をたくさん積んでいってくださいね。