私は27歳から35歳までドイツに住んでいました。そこで、目の当たりにしたドイツの生理事情にカルチャーショック! 生理に対する私の考え方を大きく変えるほど、影響を受けました。
初対面の私に「タンポン持ってる?」
ドイツに住んでいたころ、飲み会の席でこんなことがありました。
その方はドイツ人女性で、私は初めて会った人。彼女はその日突然、生理になったようで、席についている全員を前に「ねぇ、タンポン持ってない?」と聞いて回ったのです。初対面の私にも堂々と聞いてくる姿に、まずびっくり! ちなみに、そのとき私はタンポンは使ったことすらなかったので、持っていないことを伝えました。
そして後日、この出来事をスペイン人の友人に話したのですが、友人は「私がタンポンを使ったことがない」ということのほうを不思議がり、「なぜあんな便利なものを使わないの?」と逆に聞いてくるのです。
私は友人の質問に驚きつつも、「そんなに言うなら……」と、次の生理のときにタンポンを使ってみました。すると、確かに便利! 彼女たちに影響されて使い始めたものですが、本当に「なんで今まで使ってこなかったんだろう」と感じ、今では毎月使うようになりました。
「生理中でも検診に行くべき!」と熱弁する同僚
またあるとき、ドイツ人の同僚に「今日は午後から婦人科検診があるんだけど、生理がきたからキャンセルしなくちゃ……」と、口にしたことがありました。
実は以前、日本で定期検診を受けようとしたところ、生理中ならキャンセルするよう言われたことがあり、自分のなかで「生理期間中は検診が受けられない」と思い込んでいた私。それゆえの言葉だったのですが、同僚は「意味がわからない」という困惑顔。そして「生理中でも行くべき!」と説いてくるのです。
少し不安に思いつつも、彼女の説得もあって緊張しながら婦人科へ行き、受付で「生理中なんですけど……」と恐る恐る告げたところ、「そうですか」のひと言だけ。何を緊張していたのだろうと、拍子抜けしました。
ドイツ生活で生理への意識が大きく変わった
このように、私は、ドイツでは生理について、日本よりオープンな雰囲気を感じました。そして、ドイツでの生活は、私の生理に対する意識を大きく変えました。生理だけではありません。婦人病や不妊治療も同様です。
日本では初対面の人に生理の話をすることはまずないと思いますし、デリケートな不妊治療の話題であれば、親しい間柄でもなかなか踏み込めないでしょう。でもドイツでは、不妊治療の話題も婦人病の話題も、まわりの友人・知人は普通にしていたのです。センシティブな問題もタブー視しない考えや姿勢に、私は大きく影響を受けました。
帰国した現在、私は不妊治療を経て、妊娠中です。妊娠に至るまでには、2度のタイミング法をトライしたのち、多嚢胞性卵胞症候群、精子欠乏症、私の年齢が37歳という要素が重なったこともあって、すぐに顕微受精へ移行しました。
不妊治療中は生理中でも内診があり、それに抵抗を感じる人が多いと聞きましたが、私は一度、ドイツで経験しているので、心理的な負担をあまり感じることなく受診できました。
私が抵抗なく不妊治療が受けられたのも、早期に顕微受精を決断できたのも、ドイツ生活で受けた影響があったからかな、と思っています。
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監修/助産師REIKO
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文/せな なつこさん