妊娠中は、さまざまな食品から栄養素を摂る必要があります。また、赤ちゃんが成長する時期によって、とくにしっかり摂りたい栄養素もあります。
それぞれの栄養素には、どんなはたらきがあるのか、またどんな食べものからその栄養素を摂ればいいのか、今回は「たんぱく質」と「葉酸」についてご紹介します。
赤ちゃんの体をつくる「たんぱく質」
たんぱく質は、筋肉や血液、皮膚、骨格など、赤ちゃんの体を作るために必要な栄養素です。妊娠するとママの子宮や乳腺の発達など、ママの体づくりや産後の体力回復にも役立ちます。
たんぱく質の摂り方のポイントは?
たんぱく質には2種類あり、肉、魚、卵、牛乳のような動物性たんぱく質と、大豆のような植物性たんぱく質があります。どちらもバランスよく摂りましょう。
たんぱく質が含まれている食材はコレ!
たんぱく質は、牛肉、豚肉、鶏肉、レバー、卵、魚介類(かつお、まぐろ、いわしなど)、牛乳、豆腐などに含まれています。
「葉酸」で貧血を予防!
葉酸は、ビタミンB群の一種。血液のもとになる赤血球をつくるときに欠かせない栄養素です。また、細胞の遺伝情報であるDNAの合成にも必要な成分のため、とくに妊娠初期の赤ちゃんの成長には重要です。不足すると、血液をうまくつくることができないため、貧血になりやすくなってしまいます。
葉酸の摂り方のポイントは?
妊娠中は、妊娠する前の2倍の葉酸を摂取する必要があります。さまざまな野菜を組み合わせながら、摂るようにしましょう。
葉酸は、水や熱に弱いため、火を通しすぎないようにすること。たとえば、みそ汁やスープのように汁ごと食べるものに加えると、葉酸も一緒にとることができます。
葉酸が含まれている食材はコレ!
葉酸は、レバー、青菜類(ほうれんそう、モロヘイヤ)、ブロッコリー、アスパラガス、いちごなどに含まれています。
妊娠前からしっかり摂りたい「葉酸」
脳や神経をつくる妊娠初期。とくに、妊娠1カ月から妊娠3カ月までの間に葉酸をしっかり摂ると、神経管閉鎖障害の発症リスクを減らすことができます。
神経管閉鎖障害とは、赤ちゃんの脳や脊髄といった中枢神経がうまくつくられない症状のこと。二分脊椎症や無脳症などがあります。
ママのおなかで妊娠し、赤ちゃんの体がつくられ始めたときから葉酸は必要です。妊娠する前から、葉酸の多い食品をしっかり摂るように心がけましょうね。
著者:管理栄養士 富田チヤコ
管理栄養士で一男一女の母。大学卒業後、専業主婦時代に離乳食作りから食の重要性に気付き、管理栄養士・フードコーディネーター・消費生活コンサルタントの資格を取得。書籍や女性誌の栄養監修など、主に健康と食のジャンルを中心にフードライターとして活動中。