※コロナ禍前の体験談です。
長引いた“咳風邪”が招いた結末
つらいつわりが妊娠5カ月目まであったものの、妊娠9カ月目までは特に風邪などの病気もせず、4歳になったばかりの長男との時間を楽しみながら、ゆったりと過ごしていました。しかし臨月に入ったころ、咳だけが出る風邪を引いてしまい、2週間ほど続いていました。その間に定期健診があったので先生に相談してみましたが、「ただの咳風邪だから大丈夫」とのこと。
自宅で安静にしていたのですがとうとう熱が出てしまい、再度病院で診てもらいましたが「風邪だと思うなぁ」と。長期間の咳に加え熱も出ているのに、風邪なんておかしいな……と感じてはいましたが、先生がそう言うので、処方された解熱剤を飲み、引き続き自宅で安静にしていました。
咳風邪はまさかの肺炎だった!
咳が原因かは不明ですが、帝王切開の予定日だった2日前に破水してしまいました。すぐ病院へ連絡し、急いで向かいました。早朝だったこともあり、咳の症状を診てくれた主治医はおらず、その日の当直の先生に診てもらうことに。すると私の胸に聴診器を当てた先生がボソッと「ん? これは肺炎になってるかも」と言うのです。
「今レントゲンを撮ることはできないけど、肺炎に効く抗生物質の点滴をします」と。ただの風邪じゃない気はしていたけれど、息苦しさなどもなかったし、いつの間に肺炎にまでなってしまったんだろう……。とにかく不安でいっぱいの出産となったのです。
追い打ちをかけるように告げられた新たな病名
破水当日、赤ちゃんを無事出産。しかしその翌日、肺炎と帝王切開の経過を診にきた先生に、今度は甲状腺の腫れが気になると言われました。これまでに甲状腺の病気などしたことはなかったのですが、エコー検査や血液検査をして告げられた結果は、バセドウ病でした。
肺炎に帝王切開、まだ発熱が続くなかの授乳、そこへ追い打ちをかけるように新たな病名。しかし幸いにも、私のバセドウ病は妊娠後期から出産時に起こる一過性のものでした。専門の先生に診察してもらい、しばらく薬を服用していましたが、産後1年ほどで落ち着き、それ以来再発はしていません。
安心しきっていた妊婦生活でしたが、臨月になって軽い咳風邪をこじらせてしまい肺炎に、出産直後に発病したバセドウ病と、めった打ちでした。思い描いていた出産とはかけ離れた私の出産ストーリー、もったいないので武勇伝として、子どもたちが大きくなったときに笑いながら話そうと思っています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/助産師REIKO
著者:松本 奈緒
海外にて、バイリンガルの7歳と11歳の男の子のママ。将来を担う子どもたちの海外での日本語教育や、日本での英語教育に力を注ぐライター。