買い物中の出来事
まだ子どもが生後3カ月ぐらいだったときのこと。赤ちゃんがうんちするとき、水っぽいのでブリブリ……と音が鳴るときがあります。家だと「あっ! うんちしたのだな〜」と思って、特に何も考えることなくおむつを替えていました。そんなある日、抱っこひもをして赤ちゃんと一緒に買い物へ行ったときのことです。
品物を選んでいると、抱っこひもの中から「ブ、ブブブ……」と音がしました。私はすぐいつものように「うんちした!」と思いおむつ替えの場所を探そうと周りを見ると、隣でお買い物をしていたおばさまたちがこちらを見て少し驚いた様子で笑っていることに気づいたのです。
私ではありません!
赤ちゃんのうんちの音におばさまたちも気がついたのだと思ったのですが、おばさまたちの目線は赤ちゃんに対して向けられているのではなく、私に対して向けられているようでした。今の音は赤ちゃんのうんちの音ではなく、私がおならをしたと思われているように感じました。(実際には赤ちゃんだとわかってくれていたかもしれませんが……。)
私は何事もなかったように平然としていたのですが、おばさまたちはこっちを見てコソコソと話しています。知り合いの人なら説明できるのですが、まったく知らない人たち。わざわざ説明するわけにもいかず赤ちゃんに罪はないし、とても恥ずかしくなりました。
おばさまたちに聞こえるように⋯
そのまま私だと思われたままなのも嫌だったので、どうしようかと考えました。ここはいつも家でしているようにしたら良いのだと思い、赤ちゃんに「うんちしたね〜気持ち悪いね。すぐおむつ替えようね〜」といつもより少し大きい声で話しました。
おばさまたちに聞こえるように赤ちゃんに声をかけおむつ替えの場所へ急いで行き、その気まずい場所から立ち去りました。
想像もしなかったとても恥ずかしい経験をしましたが、今となってはこんなこともあるのだ!と良い経験となりました。私自身経験したことを忘れずに、私がおばあちゃんになってもママたちを温かく見守ってあげたいなと思いました。
監修/助産師 松田玲子
作画/キヨ
著者:中村 望
8歳、6歳、3歳、0歳の4人育児中のママ。長年、事務員として勤務していたが出産を機に退職。1人目の育児が少し落ち着いたときに趣味として始めた習い事で、現在では指導者として教室を運営。ママ目線での執筆活動もおこなう。