ダウン症候群の子と仲良さそうな長男
長男が6歳になったころの話です。その日は降園のとき、長男がおそらくダウン症候群と思われるお子さんと手を繋いで帰ろうとしていました。長男は私に「いつも一緒に遊んでるんだよ」と言います。
私はその言葉を聞いて「家では次男とよく喧嘩しているのに、きっとまだ話せないであろうダウン症候群のお子さんとうまく遊べているのかな、何か失礼なことはしていないかな」と少し不安になりました。
2人のコミュニケーション方法は…
次の日、登園する車中で前日のことが気になり、私は「◯◯ちゃん(長男)、昨日帰るときに手を繋いでいたお友だちは何ていうお名前なの?」と聞いてみました。すると長男は「わかんない。あの子喋れないから」と言います。私はやはりそうか、と思い「そっか、喋れないお友だちもいるよね。どうやって一緒に遊んでるの?」と聞きました。
すると長男は「一緒にサッカーとかしてる! あの子喋れないけどサッカーできるんだよ!」と言ったのです。私は「……そうだよね、喋れなくても一緒にいろんなことできるよね」と言いながらも、何だか胸に込み上げてくるものがあり、運転中にもかかわらず泣きそうになってしまいました。
長男の純粋な気持ち
恥ずかしい話、私はそのお子さんが喋れなければ2人はうまくコミュニケーションを取れないだろうと、勝手に思い込んでいました。しかし長男はただ「一緒に遊びたい」という純粋な気持ちでそのお子さんに接していたのです。私は長男のこの気持ちがうれしく、その日の連絡帳に一連の出来事を記入しました。
すると先生曰く、そのダウン症候群のお子さんはよく長男のクラスに遊びにきて、一緒に相撲をしているとのことでした。その際長男はそのお子さんが倒れたりけがをしたりしないよう、力加減を工夫して相撲をしているというのです。そしてそのお子さんもまた、長男のことを慕っているとのことでした。
長男はダウン症候群のお子さんに対して「人と違う」 ではなく、「こんなところが素敵だよね」という気持ちで、分け隔てなく接することができていたのです。たとえ2人の間に言葉はなくたって、2人は大切な友だちなのです。長男にはこれからも思いやりの気持ちを持ったまま、みんなと力を合わせてあらゆる差別のない社会を築いていってほしいなと思った出来事でした。
ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように!
監修/助産師 REIKO
イラストレーター/CHIHIRO
著者:今岡めい
6歳と3歳の超わんぱく兄弟を育てるママであり、フリーライター。「子育てで一番大切なのは母親が笑顔でいること」「幼児期最大の英才教育は遊びである」をモットーに掲げ、日々テキトー育児を繰り広げている。