こんにちは!助産師のREIKOです。妊婦健診は何度もあったから、何をするのかなんとなくわかっていたような気がするけれど、産後の1カ月健診については知らないという方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、「1カ月健診」についてお話しします。
1カ月健診ってなにするの?【ママ編】
ママの1カ月健診の検査項目は妊婦健診のときとほとんどかわりありません。尿検査、体重測定、血圧測定、内診、超音波検査、必要時血液検査があります。
産後のママの体がきちんと回復しているか、内診や超音波検査では子宮の回復状態と悪露の状態を確認していきます。助産師はママの授乳状況やおっぱいの状態、育児上の不安や悩みについてお話を聞いたり、アドバイスをおこなったりしています。
産後の不安のピークは1カ月時といわれていて、その不安を軽減するために、1カ月健診を待たずに助産師が、おっぱいや育児状況を確認し、相談に乗る機会を設けている施設も増えてきています。
1カ月健診ってなにするの?【赤ちゃん編】
赤ちゃんは生まれてからの成長・発達の状況をみていきます。身長・体重・頭囲・胸囲の計測をしてどのくらい大きくなったかを確認します。
1カ月健診時の赤ちゃんの体重増加の目安は「+約1kg前後」。退院時の体重、あるいはいちばん減っていた体重からの増減を日割りで計算し、評価しているところが多いのではないかと思います。体重の増えに関しては、個人差もあるので、とくに体重に関するお話がなければ順調と考えて大丈夫だと思いますよ。
そのほか、全身状態、おへその状態(じゅくじゅくしていないか、出血はないかなど)、原始反射の様子、黄疸の状態など、頭の先からつま先まで細かく見ていきます。また、見るだけでなく、呼吸や心臓の音なども確認します。全身の診察が終わったら、乳児ビタミンK欠乏性出血症を防ぐためのビタミンK2シロップを飲ませる産院が多いのではないでしょうか。
1カ月健診に持っていくものって?
1カ月健診の持ち物については、退院のときに産院から説明があります。忘れ物がないように注意しましょう。
主に、母子手帳・診察券・保険証(ママと赤ちゃんそれぞれ)・乳児医療証・乳児健診無料券(自治体によって異なります)・おむつ・赤ちゃんのお着換え・おしりふき・ミルクが必要な場合はミルクとお湯・哺乳瓶(ビタミンKを飲む用も)・現金が1万円ほどです。これらをマザーズバッグにまとめておくと安心ですね。
こんなときは1カ月健診を待たずに受診しましょう
退院から1カ月健診までに赤ちゃんの元気がない、飲みが悪い、顔色がすぐれない、黄疸が強くなったような気がする……など、“なんだかいつもとちがうなー”と感じたときは1カ月健診を待たずに受診しましょう。
ママの場合はおうちに帰って、動く機会が増えると一時的に悪露の量が増えることがありますが、悪露の量が生理の多いときの量が続く、レバーのような血液の塊が出る、乳腺炎の症状がある、38℃以上の発熱があるなどの症状があるときには産院に相談し、指示を仰ぎましょう。
産後1カ月健診が久しぶりの外出なんて方もいらっしゃるかもしれません。荷物も意外と多いので、どなたか付き添ってもらえる方がいらっしゃると安心ですね。
生後28日を過ぎると赤ちゃんは新生児期を卒業し、乳児期に入ります。そしてママも、とくに問題がなければ、入浴、パーマ、旅行、性生活などが可能になります。ママの体が妊娠前の状態に戻るのにはもう少し時間がかかります。少しずつ元の生活に戻していってくださいね。
著者:助産師 REIKO
医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。