不況の続く現代の日本では、結婚したい職業として公務員が上位に来る人気をみせているようです。実は私、父も夫も公務員。たしかに公務員は収入が安定していますが、実は結婚後には大きなデメリットもあったのです。
父も夫も公務員で安定した暮らしを送ってきた私
私は地元にいる父親も、現在一緒に暮らす夫も公務員です。そのため、これまで不況による倒産やリストラなどとは縁のない生活を送ってきました。
実際大学時代から付き合っていた当時の夫が公務員を目指すと聞いたときは、将来結婚したときに収入が安定しているのはとてもありがたいと感じていました。実際新型コロナウイルスが流行している今、景気に左右されない公務員はやはり強いなと思っています。
公務員と暮らすときに一番つらいのは災害時
しかし公務員と暮らす場合大きなデメリットもあります。それは災害時など、自分たちが一番つらいとき、基本的にそばにいてくれないことです。公務員がおこなう仕事のほとんどは滅私奉公であり、人や人の生活を守るために存在してます。つまりこれらが脅かされた場合、自分たちの生活よりも、仕事を優先せざるを得ません。
例えば東日本大震災で被災したとき、父は職場から1週間1度も帰れませんでした。そのため、私たちは女家族だけで屋根に上り、ビニールシートをかぶせ、崩れた塀や窓を修理しなければいけませんでした。また最近では、新型コロナウイルスが流行し始めたころ、夫は1カ月間泊りがけで対応に追われました。
公務員との結婚にはある程度の覚悟が必要
もちろんいつもは残業や休日出勤も少なく、福利厚生も充実しています。しかしやはり、自分たちが一番不安に感じている時期や、男手が欲しいタイミングで必ずいなくなってしまうというのは大きなデメリットだと感じます。
また災害時だけそばにいてもらえないのはまだいい方で、警察官や教師、消防士など常にトラブルへの対応が求められる職種の場合は、より一層家族と過ごせる時間は少なくなる恐れがあるのだろうなと思います。そのため公務員と結婚するのであれば、「困ったことや不安があってもパートナーを頼らず自分だけですべて対応し、家族を守る」という覚悟が必要だと私は考えています。
東日本大震災のときに、公務員と暮らすということはどういうことかについて薄々気づいてはいましたが、今回新型コロナウイルスの流行で、夫から「1カ月帰れない」と言われたとき、そのデメリットを確信しました。公務員の家族になる以上、本当に苦しいときこそ1人で立ち上がる強さが必要です。さらに、その公務員自身も激務にさらされるため、相手を支えられる強さも必要だと感じました。
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著者/百田