25歳。結婚はまだまだ先だと思っていた
私は小さいころから母に何でも話す性格だったので、大人になってからも恋愛の状況もよく母に話していました。20代として人並みの恋愛をする私に、母は特に何かを言うわけではなく、いつも世間話として聞いてくれていました。しかし私が25歳のある日、母は真剣に私に話し始めたのです。
「いつまでフラフラしているの? そろそろ結婚をちゃんと考えて相手を探したら?」と。確かに当時の私は、いずれ結婚したいなと考えてはいたものの、真剣にはとらえておらずまだ先のこととして考えていました。
ずっと語らなかった母の本音
母の言葉の真意は、こうでした。
「もし私がこの先病気になったり、寝たきりになったとき、あなたに面倒をみてもらわないといけなくなるかもしれない。介護をお願いしなくてはならなくなったときに、あなたを支えてくれる家族がいなかったら、あなたにとてもつらい思いをさせることになってしまう。だからこそ、あなたに家族がいてくれたらと思っているの。早く結婚して幸せになってほしい。私だけでなく、あなたも将来に何が起こるか分からないのだから、あなたを支えてくれる人を真剣に探しなさい」と。
普段は何も言わない母の突然の真剣な話に驚きました。そして母がそんな思いを抱いていたことを、私は少しも気が付きませんでした。
親心を知ったその後の変化
私の父は、私が24歳のときに病気で他界しています。また私の兄はすでに結婚して家を出ているので、もし母に何かあったときは実家に住む私がすべて面倒をみることになります。そんな私のことを、母は真剣に心配してくれていたのです。
親心を知った私は、「いつまでも遊んでいてはいけない。近い将来として、真剣に結婚を考えなくては」という覚悟が決まりました。そして次に付き合う人は、結婚を真剣に考えられる人にしよう、と気持ちが切り替わったのです。
あのときの母の言葉がなかったら、きっと私は結婚について真剣に考えず、もしかしたら婚期を逃していたかもしれません。母の言葉のおかげで真剣に相手を探すようになり、27歳で今の夫と結婚。今はかわいい子どもたちにも恵まれ、幸せに過ごせています。母からの言葉は私にとって人生の転機であり、自分が幸せになることが親孝行になるのだなと心から感じた経験でした。
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著者/山村智子