彼は田舎育ちの男3兄弟の次男坊
彼との出会いは職場でした。彼はいつもやさしく丁寧に仕事を教えてくれる頼れる先輩で、私はいつのまにか彼のことを好きになっていました。彼も同じように私を意識してくれていて、出会って3カ月で交際スタート。早く結婚したいという考えが一致した私たちは、交際1年でゴールインしました。
彼の実家は田舎にあり、大きな土地をもち代々継承していました。彼には兄と弟がいて、2人ともすでに既婚者。実家の土地は兄夫婦が継承することに決まっていたため、私たち夫婦はこの問題に関わらないと決めていました。
予定おかまいなしに義母から連絡が
土地の跡継ぎ問題を抱える義母は、私たち兄弟夫婦と仲良くすることに非常に強いこだわりを持っていました。
夫によると、将来兄夫婦が突然「実家には戻らない」と言ってきた場合の保険をかけているのだそう。月に1回以上の頻度で「みんなで〇〇へ遊びに行こう」「みんなで家にごはん食べにおいで」と連絡を入れてきます。私たちはそれぞれ仕事の都合もあり休日が違うのに、そんな個人の都合はお構いなし。誘いを断るのはご法度でした。遠方に暮らす私たち夫婦にはかなり厳しい条件です。
良かれと思って誘ってくれる義母の気持ちとは裏腹に、誘われるたびにストレスが溜まっていきました。私はとうとう我慢の限界を迎え、理由をつけては誘いを断るようになりました。
義母が嫌味を言うようになって…
義母との関係が嫌になり、逃げ続ける日々が続きました。このころから義母は、夫に私についての小言を言うようになりました。また、嫌な気持ちを我慢して集会に参加すると、私だけがわからない話題を挙げ「あなたはいつも来ないからわからないわね」とトゲのある言葉を投げかけてきました。
そんななか弟夫婦と会う機会があり、義母に対する不満を話したところ、弟夫婦も私たちとまったく同じ思いをしていることを知りました。そこでお互いに悩んでいることやこれからのことを相談。話し合いをしたことで、逃げ続けては意味がない。改めて義理の家族とちゃんと向き合わなければダメだと実感しました。
そうして義母と向き合った結果、義母が言っていた「結婚は家と家とがすること」の意味には、土地やお墓の継承などの問題だけではなく、義理の家族とも支え合って生きていくという意味もあるのだと初めて気付かされました。私が義理の実家に対して前向きになれたのは、同じ気持ちを共有してくれた弟夫婦はもちろん、私の小言を聞かされても常に私の味方をしてくれた夫のおかげでもあります。
義理の実家としっかり向き合うようになった今でも私と義母の関係は修復したとは言いきれませんが、今ではお互いに丁度いい距離感を保つことでじょうずに付き合えています。結婚当時は納得いかなかった「結婚とは、家と家とが家族になること」という言葉も、自分なりにいい解釈ができるようになりました。
そして、どんな私も好きでいてくれて、いつでも私の味方をしてくれた夫には感謝しています。彼と結婚して本当によかったです。
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著者/斎藤セイカ
イラスト/マメ美