きっかけは息子が生後6カ月のときに見た、TV番組
息子が生後6カ月のとき、夫の仕事による転勤で引っ越したあとでした。親戚も友人も引越し先にはおらず、夫の帰りも深夜。私は、ひとり孤独におこなう育児に疲れ始めていました。そんなときに見たテレビ番組で、「ありがとうと言う人は、言われる人よりもさらに幸福度が高い」というものでした。
ありがとうと言われたらうれしいのはわかりますが、言っただけで幸せな気持ちになるの? ……と私は疑問に思いながらも、子育てにも夫にもイライラしてしまうのをなんとか改善したかったため、とりあえず毎日1回以上「ありがとう」と意識して声に出すことにしたのです。
次第に感じた心の変化
はじめは、何に対してありがとうと言えば良いのかわからなかったので、生後6カ月の息子に対して「生まれてきてくれてありがとう」と毎日言うことにしました。そうすると、ずっと欲しかった子どもに恵まれたこと、息子がここまで元気に育ってくれたことなど、自分は恵まれた存在なのだと感じるように。
夫にも毎日「仕事頑張ってくれてありがとう」と言うようにしたところ、夫が働いてくれているお陰で自分が育児に専念できること、不自由ない金額のお給料を稼いできてくれることなど、今まで育児に忙しくて考えられていなかった夫への感謝の気持ちが湧き出てきたのでした。
気づけば私の周囲にも変化が
ありがとうと息子に意識して言うことで、息子も2歳くらいから「ママありがと」と言ってくれるように。それを聞いて育児・家事のモチベーションを上げることができました。また、夫も毎日ありがとうと言われることで、仕事への集中力が上がって帰宅時間が早くなったり、私へ「ありがとう」と頻繁に言ってくれたりするように。
私は、息子や夫から感謝されると、鬱屈していた気持ちが明るくなり、近所を散歩するのが日課になりました。そうしているうちにいつの間にか近所の住人と仲良くなり、毎日笑顔で家事・育児をこなせるようになっていました。
藁にもすがる思いで始めた1日1回の「ありがとう」ですが、自分自身の気持ちが明るくなり、自分も周囲も笑顔が増えるうれしい結果に。はじめは意識して「ありがとう」と口に出していましたが、今では会話のなかでいつのまにか「ありがとう」と言っていることに気が付きました。毎日が幸せに感じられるようにしてくれた「ありがとう」のひと言を、これからも大切にしていきたいと思います。
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イラストレーター/山口がたこ
監修/助産師 松田玲子
著者:石垣 まり
5歳男児のママ。大学病院で4年間助産師として勤務し、現在は筆耕業務をおこなっている。副業として、妊娠・出産・育児・芸能などの記事を執筆中。