妊娠中は、さまざまな食品から栄養素をとる必要があります。また、赤ちゃんが成長する時期によって、とくにしっかり摂りたい栄養素もあります。
それぞれの栄養素には、どんなはたらきがあるのか?またはどんな食べものからその栄養素を摂ればいいのか?今回は「ビタミンA」と「ビタミンD」についてご紹介します。
免疫機能をキープするビタミンA
ビタミンAは目の健康を維持するのに大切なビタミンであり、全身にある皮膚やさまざまな粘膜の健康を保つ栄養素です。また、免疫機能を維持しながら、ウィルスや感染症から体を守る働きがあります。
摂り方のポイント
ビタミンAは油に溶けるので、油炒めやバター焼きのように、油と一緒に調理することで吸収率が高まります。
ビタミンAが含まれている食材
緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ、ほうれんそうなど)、レバー、うなぎ、卵黄
カルシウムの吸収を助けるビタミンD
カルシウムの吸収を助けるビタミンD。血液中にあるカルシウムを骨まで運び、カルシウムが骨に沈着するのをサポート。骨や歯を丈夫にする働きがあります。また、血液や筋肉のカルシウム濃度を一定に保つ働きもあります。
摂り方のポイント
油に溶けるので、油と一緒に調理すること。油炒めのような、加熱する調理にも向いています。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるので、カルシウムと一緒に摂りましょう。
ビタミンDが含まれている食材
うなぎ、鮭、さば、さんま、かれい、ちりめんじゃこ、きくらげ、干しいたけ
サプリメントなど過剰摂取に要注意!
通常の食事でビタミンAやビタミンDの上限量を超えることはまずありません。ただし、妊娠初期にビタミンAを摂りすぎると、赤ちゃんの奇形の発生率が高くなる場合があります。
また、ビタミンDを摂りすぎると、腎不全などを起こすことも。赤ちゃんの成長のためにも過剰摂取に気を付けながら、バランスのとれた食事で適度に摂取すること。サプリメントを大量に摂取したり、毎日のように同じ食品を食べ続けることは避けましょう。
ビタミンDは、紫外線に当たることで私たちの皮膚でも作られる栄養素です。産後の骨粗しょう症予防のためにも、ビタミンDを食品から摂ることも大切ですが、昼間に外を散歩すれば、筋力をアップさせながら骨粗しょう症も予防できますよ。
著者:管理栄養士 富田チヤコ
管理栄養士で一男一女の母。大学卒業後、専業主婦時代に離乳食作りから食の重要性に気付き、管理栄養士・フードコーディネーター・消費生活コンサルタントの資格を取得。書籍や女性誌の栄養監修など、主に健康と食のジャンルを中心にフードライターとして活動中。