妊娠中は、さまざまな食品から栄養素をとる必要があります。また、赤ちゃんが成長する時期によって、とくにしっかり摂りたい栄養素もあります。
それぞれの栄養素には、どんなはたらきがあるのか?また、どんな食べものから、その栄養素を摂ればいいのか?今回は「ビタミンB群」と「ビタミンC」について、ご紹介します。
代謝を助け、疲労を回復するビタミンB群
ビタミンB群には、ビタミンB1、B2、B6、B12などがあります。糖質がエネルギー変わるのをサポートし、疲労回復を促すビタミンB1、体の成長に不可欠なビタミンB2、つわりをやわらげるビタミンB6、そして悪性貧血を予防するビタミンB12のようなはたらきがあります。
摂り方のポイント
調理によって損失しやすい栄養素です。水に溶けやすいので、野菜などは手早く洗うこと。加熱したものは煮汁ごと食べられるようにしましょう。また、ビタミンB1は、たまねぎやにんにく、ニラと一緒に摂ると効果的です。
ビタミンB群が含まれている食材
ビタミンB1:うなぎ、豚肉、大豆、玄米
ビタミンB2:レバー、納豆、卵
ビタミンB6:レバー、かつお、鶏ささみ
ビタミンB12:レバー、あさり、さんま、いわし
ストレスを軽減させるビタミンC
コラーゲンの合成を助けるビタミンCは、赤ちゃんの丈夫な血管や筋肉づくりには欠かせません。免疫力を高める働きがあるので、風邪の予防にも役立ちます。もちろんママの美肌効果もあります!
摂り方のポイント
熱に弱く、水に溶けやすいビタミンC。野菜や果物の場合は、生で食べるとビタミンCを摂りやすくなります。
ビタミンCが含まれている食材
赤ピーマン、ブロッコリー、レモン、キウイフルーツ、いちご、じゃがいも
水溶性ビタミンは、毎日摂ることが大切!
水に溶けやすいビタミンB群やビタミンCのような水溶性ビタミンは、たくさん摂取しても尿として体の外に排出されるため、体の中に蓄積しておくことができません。
通常の食事では過剰症の心配はほとんどありませんが摂りすぎは禁物。さまざまな食品から、毎日こまめに摂取するようにしましょう。
ビタミンは、体の中のさまざまな機能をコントロールする大切な栄養素です。とくに妊娠中は、ママの健康と赤ちゃんの成長のために欠かせません。さまざまな食品や、いろいろな調理法を組み合わせることで、食事の質をどんどんアップさせましょう。
著者:管理栄養士 富田チヤコ
管理栄養士で一男一女の母。大学卒業後、専業主婦時代に離乳食作りから食の重要性に気付き、管理栄養士・フードコーディネーター・消費生活コンサルタントの資格を取得。書籍や女性誌の栄養監修など、主に健康と食のジャンルを中心にフードライターとして活動中。