20代で発症した病気は周囲の理解が得にくくて…
私には20代から続く持病があります。それは急激に襲ってくる便意で、恥ずかしい話、トイレに間に合わなかったことも何度かありました。
この持病は周囲の理解を得にくく、どれだけ丁寧に説明しても「とはいえトイレまでは我慢できるんでしょ?」と思われることがほとんど。だけど症状が悪化すれば家のトイレですら間に合わないこともあり、1日30回以上トイレに行って、トイレから出てもすぐまた便意をもよおす。なんてこともあります。
症状もつらいですが、人として当たり前にできることをできないのが、自分自身とてもつらくて……。そんな私の周囲のなかで、便意が襲ってきたときの緊急性を一番理解してくれたのは、当時付き合っていた彼でした。
一番の理解者で気づかってくれたのが交際中の彼
彼は、私が5年ほど勤める職場に新しく入社した同僚。23歳のときでした。同年代が少ない職場だったので、話が合い、ふざけた話もたくさんできた彼とは自然と親しくなり、いろいろなところへ遊びに行くようになって付き合うようになりました。
持病については早いうちに伝えたほうが良いと思い、付き合う前から話をしていました。彼は驚くわけでも戸惑うわけでもなく、「そっか」と淡々とした反応でした。
彼とドライブデートに出かけた日のことです。いつもの急な便意が襲ってきました! 「ヤバイ!」と思った私は、すぐさま「トイレに行きたい!」とSOS。彼は「わかった!」と言って、すぐに近くのトイレがある場所で車を停めてくれました。無事にトイレを済ませてホッとしながらも、ふと、私は不思議に思いました。「ここはお店もまばらな田舎。どうしてすぐにトイレを見つけられたんだろう……」と。
結婚後も折にふれて感じる彼の気づかい
その答えは車に戻ってわかりました。いつでもトイレに行けるよう、カーナビにトイレマークのついたお店を表示させて走っていたのです! 涙が出るほどうれしかったのと同時に、「この人は私の病気を理解して支えようしてくれている」ことを実感。その瞬間、「この人と結婚したい!」と強く思いました。
彼の気づかいはこれだけではありません。
運転中、「トイレに行きたくなってきた」と言っても、彼は焦らず怒らず「わかった!」と頼もしく返事をし、さらには「Bダッシュするね! 大丈夫?」とユーモアを交えて返してくれます。Bダッシュというのはゲームで通常より速く移動したいときに押すボタン操作のこと。笑いを入れながら気をつかってくれるところにもうれしさを感じます。
おかげで、トイレに行きたいときに遠慮せず「行きたい!」と言える余裕が生まれ、出先でのトイレに対する不安が緩和。外出が苦ではなくなりました!
そんな彼とは24歳で結婚! カーナビのトイレ表示もBダッシュ発言も、今なお続いています。持病は現在も治療中ですが、彼のやさしさに支えられて今日も幸せに暮らしています!
付き合う前に私の持病について細かく彼に伝えられたことは、本当によかったと思いました。彼の人柄がとてもいいのはもちろんですが、いくら人柄がよくても私のすべてがわかるわけではありません。気持ちや体調など私自身のすべてを話し、相手の話もしっかり聞いてきたからこそ、彼も対応ができたのだと思います。
よく、「なんで察してくれないの?」と言って喧嘩になるケースがあると聞きますが、「それは無理な話でしょ!」と思います。パートナーとはいえ別々の人間。それぞれに考えを持っているのですから、思いを伝えずに相手から察してもらうなんて至難の業。だからこそ、私たちは話し合うことを大切にしています。ときには私が「察してよ!」と言ってしまうこともありますが、それでもそのつど話し合い、お互いがお互いを理解したうえで、できる限り行動するように努めています。
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文/とん たろうさん