顔を見ながらおっぱいをあげられず
繊細でお母さんが大好きという長女。2人目の妊娠を長女に伝えると、長女は「自分は赤ちゃんだ」と言い出しました。3歳を過ぎ、身の回りのことは自分でできるようになっていたのに、着替えもごはんも「お母さんがやって!」「お母さんが食べさせて!」と一切しなくなる始末。
次女が生まれてからはさらに大変で、授乳や抱っこをするたびに大泣き。授乳をするときは泣いている長女に声かけをしていたので、次女の顔を見ながら授乳することができず、おっぱいを飲んでいる次女の姿があまり思い出せません。
いつも抱っこで長女のお供
次女が生まれた当時、私は長女の幼稚園の送り迎えをしたり、習い事に連れて行ったり、友だちとの公園遊びに付き添ったりと大忙し。その間、次女はいつも抱っこです。公園で遊ぶ際などは長女から目を離すことができないため、次女の顔をゆっくり見て話しかける余裕はなし。とにかく、長女がやりたいことをやり、行きたいところに行き、次女は抱っこされてそれに付き合うという感じでした。
次女とはいつも一緒にいたのに、目は長女を向けているほうが多かったのです。毎日忙しくしていたこともあり、室内で次女とゆっくりと遊んだ思い出が少ないです。長女が幼稚園に行っている間はなるべく向き合おうとしたのですが、疲れていて一緒に寝てしまうことが多くなってしまいました。
次女との思い出や写真が少ない
長女が初めて経験することは、母にとっても初めての経験。そのため、初めての寝返り、初めての離乳食、おむつ外しなど、イベント1つひとつが未知の世界で、そのときの様子や、自分がそのとき感じたことを鮮明に覚えています。
ところが次女のときは2度目ということもあり、そこまでのインパクトがなく、鮮明には記憶に残っていないのです。調べることも悩むことも少なかったことだけでなく、長女に意識がいっていたことも原因だと思います。
当時も次女のことは本当に大切に思っていました。ただ、2人の幼い子を育てるのにいっぱいいっぱいだったのです。今は次女に対し、2歳より前の記憶がおぼろげでごめんねという気持ちでいっぱいです。娘たちが6歳と2歳半になった今、育児にもだいぶ余裕が出てきました。ようやく次女と向き合う時間が増えたので、今はたくさんの思い出を一緒に作っています。
監修/助産師 松田玲子
イラスト/さくら
著者:小川恵子
8歳と4歳の姉妹の母。育児サークルの幹部や習い事、執筆活動など、精力的に育児を楽しんでいる。