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「しどろもどろ…」ことごとく狂ったプロポーズ。そんな彼の姿を見て私は…

私たちは大学時代から長く付き合い、いよいよプロポーズを迎えたその日。それまでにたくさんの準備をおこなってきた彼でしたが、当日に起こったハプニングと緊張で、なかなかスマートなプロポーズとはいきませんでした……。

 

星の見えるコテージを予約し準備はばっちり

私たちは大学時代からの付き合い。社会人としての生活も落ち着きつつあったころ、お互いに結婚を意識するようになりました。そんなある日彼は、近隣の県にある星の見えるコテージに泊まりに行かないかと私を誘いました。

 

このとき彼がプロポーズを計画していたことを私はまったく知らず、コテージへの興味もあまりありませんでしたが、彼が強く希望したことから、2人で宿泊することにしました。

 

1日中曇り空でまったく星が見えないコテージ

しかし残念なことに、宿泊した当日はあいにくの曇り空。星はまったく見えません。本来であれば借りた望遠鏡で星を見たあとに、近くにある天文台で案内を受けながら星を見る予定でした。

 

しかし、曇りだったので望遠鏡ははキャンセル、天文台には集まったものの、やはり一切星は見えず、案内の方から星の説明だけを受け、解散となりました。

 

私は「まぁこんなこともあるよな」とのんきに考えていたのですが……。

 

震えながらしどろもどろでプロポーズ

その後、隣接していた銭湯へ行き、私が1人でコテージに戻ると、真っ暗な部屋の中に、プリザーブドフラワーがライトに照らされて光っていました。ここで私はようやく今日がプロポーズのために準備されていたものだと理解したのです。それと同時に、今日1日ずっと曇り空で、彼の思い描いていたであろう予定がことごとくうまくいかなかったことを思い出しました。

 

彼は私のあとからコテージに入ってきて、私に婚約指輪を見せ、プロポーズしてくれました。

 

しかし、プロポーズの内容は長い上に要領を得ず、今思い出そうとしても、覚えているのは最後の「結婚してください」の言葉だけです。また緊張のあまり、指輪を差し出す彼の手はぶるぶると震えていました。

 

私がこの人を支えなきゃ!と結婚を決意

私もずっと彼との結婚を希望していたので、プロポーズしてもらえれば、もちろんすぐにOKを出すつもりではいました。

 

しかし、星がきれいに見えるはずだったコテージでのプロポーズが、予定が狂い、曇天のなかで震えながら、しどろもどろでプロポーズする彼の姿を見た私。そんなプロポーズに、私はがっかりするどころか、それまで以上に「私がこの人を支えなきゃ!」と感じ、私は改めて彼との結婚を決意したのでした。

 

 

プロポーズでは頼りなく見えた彼でしたが、結婚し2人で暮らすようになってからは積極的に家事やサポートをしてくれ、私は彼に助けられながら生活をしています。またこれからもこの生活を壊さないよう、2人で支え合いながら仲良く暮らしていきたいと思います。

 

著者/百田
イラスト/塩り

 

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