現在妊娠・出産・子育てをする多くのママたちが直面している「孤育て(孤独な子育て)」。ベビーカレンダーでは、新型コロナウイルス流行により人と関わることができず、各家庭だけで子どもと向き合う子育てを強いられ、閉塞感や孤独感を抱えながら子育てをしている、今の子育ての実態を特集でご紹介します。
夫と子育てを頑張ろうと思ったものの…
私の実家は遠方にあり、義両親は2人とも仕事をしていて、育児を誰かに頼ることが難しいため、私は夫と話し合い夫婦で協力して子育てをしようと決めました。産後、私と息子が退院してから1週間、夫は仕事を休んでくれ家事と子育てのサポートを本当によくしてくれました。
しかし夫の1週間の休みが終わると、日中は誰も頼れる人がいないため私ひとりで息子のお世話と家事をすることに。夫は休んでいた分の仕事が溜まっており、残業が長引くことや、出産祝いという名の飲み会に上司や友人から連日誘われ、夜遅くに疲れて帰ってくることが多くなりました。
息子は毎日夕方の17時~22時まで何をしても泣き続けるため、産後まだ回復していない体にムチを打ち、私は何時間も息子を抱っこをしてあやしたのです。本当に誰かに頼りたい産後すぐの時期と時間帯に、誰にも頼ることができない、“孤育て”の日々が続きました。
自分の時間がまったくとれない
息子はとてもよく泣く子で、抱っこが大好きな甘えん坊でした。息子の泣き声を聞くと私はどうしようもなく悲しくつらい気持ちになり、なんとか泣き止ませようと抱っこをして、必死にゆらゆら体を動かし家中を歩き回ったのです。
まだ産後のダメージが残る体で育児をすることや毎日の寝不足も大変でしたが、私は息子をずっと抱っこしていることで自分の時間がまったくとれないことが本当に嫌でした。好きなドラマを見たり、ゲームをしたり、SNSをチェックしたりする時間を諦めてからは、自分のごはんやトイレの時間さえもついつい犠牲にしてしまうように。
私は徐々に何に対しても無気力になり、気付くと息子を抱っこするのも嫌になってしまったのです。
人に頼れないから物に頼ってみた結果
自分の心が死んでいくような感覚に陥り、このままではいけないと妊娠中から購入しようか悩んでいたバウンサーをついに買うことにしました。バウンサーがわが家に届き、さっそく息子を乗せてみると見事にギャン泣き。息子には合わなかったと一時はバウンサーを押し入れに封印しようかと思いましたが、何をしても泣き止まないときは使ってみることにしたのです。
息子の安全をしっかり確保したうえで、私は足でバウンサーを揺らしながら、イヤホンをして好きな音楽を聴きつつお菓子を食べたり、録画しておいたドラマを少しの間見たりしました。休憩時間ができたことで少しずつ心が生き返ったのを覚えています。
さらに息子を乗せたバウンサーごといろいろな場所へ移動できるので、安心して料理やトイレ、食事ができ、育児が少しラクになったのです。孤育て中の私にとって、バウンサーはなくてはならない相棒となりました。
いつの間にか私は、自分が思い描いていた理想のママになろうと頑張り過ぎていました。息子の安全が確保できているなら少しの間泣かせていても大丈夫、という気持ちでバウンサーに頼ったことで、私の気持ちに余裕が生まれたのです。孤育てだからこそいろいろな物に頼り、工夫をして育児を楽しもうと思えた出来事でした。
※赤ちゃんをバウンサーに寝かせるときは、必ずシートベルトを装着して安全を確保し、目を離さないようにしましょう。
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監修/助産師REIKO
著者:米久 熊代
1歳児男児の母。人材会社や人事の仕事を経験し、夫の転勤を機に退職。現在はフリーランスとして前職関係の仕事とライターをしながら、プレママ・新米ママ向けブログを運営中。