新生児期のあふれる母性
最初に2人目を意識したのは、娘がまだ新生児のころでした。「もう赤ちゃんじゃなくなっちゃうなんて! 早く次の子が欲しいな」と家族に話していたのを覚えています。でも今思えば産後ハイによるものでした。
産後2カ月ほどで里帰りが終了して本格的に育児に追われるようになってからは、「もう1人育てる? 絶対無理!」と思うようになりました。何より今いる娘のことがかわいくて、赤ちゃん中心の生活が考えられません。私自身が長女で、妹のために我慢することもある立場だったので、娘に寂しい思いをさせたくなかったのです。
身近なママ友から第2子妊娠報告を受けて
娘が1歳を過ぎると、周囲から第2子妊娠の知らせが聞こえてくるようになりました。それは純粋におめでとうという気持ちでしたが、自分もあとに続きたいとは思いませんでした。ただ、自分自身は姉妹で、我慢もあったけれど楽しいことや心強い面も大いにあって、娘がひとりっ子なのは胸に引っかかる部分があったのも事実です。
追い討ちをかけるように祖母から、「ひとりっ子はかわいそうだ」という声も。実母を含めて、身近な人は2人目を心待ちにしているのがわかりました。
本気で悩む日々
妊娠できるかどうかは置いておいて、自分の不安要素をまとめてみました。まずは妊娠中のつわりがつらかった思い出。次に経済的に2人育てて大学まで行かせてあげられる自信がないこと。さらに、私自身30歳を過ぎていて、夫がひと回り年上ということもあり、下の子に何かあった場合、娘に多大な負担をかけてしまうことなどです。
実母には正直に、前向きになれないことを話しました。残念そうでしたが、「仲のいいきょうだいばかりじゃないからね」と寄り添ってくれました。
娘を最大限愛することに
そもそも結婚当初は、子どものいない人生も視野に入れていた私たち夫婦。けれど子どもを育てることで得られた豊かさは、何にも変えられないものだと実感しています。2人目が生まれたら、私たち家族にとって、さらに素晴らしい日々になるだろうなとも思います。
でも、ひとりっ子を育てて5年目、身近にはきょうだい育児中のママ友ばかりですが、きょうだい喧嘩や赤ちゃん返りなど本当に大変そうで、やっぱり私には無理だなと感じています。夫と娘がいるだけで十分に幸せ。とても大切で、私を必要としてくれる娘を最大限愛していこうと決めました。
2人目計画にはとても悩みました。親族からは2人目を待ち望む声があるものの、実際に育てるのは自分たち。夫は私の意見を尊重してくれます。悩んでいたときに実母が、「仲のいいきょうだいばかりじゃないからね」と、“産みたくない私”に寄り添ってくれたことで気持ちの整理がつき、ひとりっ子の娘に尽くそう!と決心がつきました。
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監修/助産師REIKO
著者:コイデ フサコ
娘が1歳のときから現在4歳まで正社員ワーママを頑張ったものの、心身共に限界を感じて10年勤めた会社を退職。娘にとってお母さんの代わりはいないこと、お母さんの自由時間の大切さを痛感している。