突然の質問に、一瞬迷ってしまったのですが……。
ベビーカレンダーは、多様化している家族のあり方=“新しい家族のカタチ”について発信する取り組みを開始しました。当事者のリアルな声をご紹介していきます。多様な幸せを実現できる社会、そして、もっと「家族を持ちたい」「赤ちゃんを産みたい」と思う人が増える世の中づくりの一助となりますように。
どう答えるのが正解!?
未婚の母として、家族からのバックアップを受けながら働き始めて5年、息子は6歳になっていました。こども園にお迎えに行ったある日のこと。息子の友だちから突然こんなことを聞かれたのです。
「〇〇くんは、パパいないんでしょー?」
どうしてそんな話になったのか定かではありませんが、父の日など家族系のイベントが近いわけではなかったので、何気ない会話のなかでそうした話になったのでしょう。突然の無邪気な質問にちょっとどう答えるのが正解なのか、一瞬迷ってしまいました。
嘘はつかない、でも、ほんとのことまでは言わない
一瞬戸惑った私でしたが、いずれこうした質問が来るであろうことは予想していたので、心の準備はしていました。「そうだねー、うちは今、パパはいないんだよねー。」とさらっとお返事をしてその場は終了しました。ここで息子に「そういうことはお外では話さないで」と伝えても難しいだろうし、余計な傷を作ってしまってもいやだな、と思い、その場ではさらっと流し、息子にはあとで説明することにしました。
何をどこまで話すのか
家に帰ってから息子と話をしました。
「パパがいない」ということは聞かれたら言ってもいいのだけれど、わざわざ口に出す必要はないこと。わが家のようにママと子どもだけの家族もいれば、パパと子どもだけの家族、祖父母と子どもだけの家族など、世の中にはいろんな家族がいるということ。そんなことを話しました。そして、わが家にパパがいない理由は、「事情があって、あなたがおなかの中にいるときにお別れしたんだよ。」とだけ伝えました。息子がもう少し大きくなったら、パパがどんな人だったのか、何の仕事をしていたかなども話すと約束をしました。息子はあまり気にしていない様子で、「わかった」と返事をしてくれました。
未婚、もしくは、子どもがまだ幼いうちにお別れしたシングルマザーの場合、どのタイミングでパパのことを話すのか、というのは課題になってくるかと思います。子どもがあまり気にしていない様子でも、他者から不意に聞かれることはあるので、どう答えるのかは自分のなかである程度決めておいてよかったなと思った出来事でした。息子の様子を見ながら、少しずつ話をしていけたらと思っています。
著者:春日井透子
小学4年生の息子と2人暮らしの未婚シングルマザー。言語聴覚士というリハビリの専門職の仕事とライター業をかけもちしています。