今でも、自分が産んだ子どもと、養子となったパートナーの子どもの子育てに関して葛藤したり悩んだりすることもあります。
ベビーカレンダーは、多様化している家族のあり方=“新しい家族のカタチ”について発信する取り組みを開始しました。当事者のリアルな声をご紹介していきます。多様な幸せを実現できる社会、そして、もっと「家族を持ちたい」「赤ちゃんを産みたい」と思う人が増える世の中づくりの一助となりますように。
子持ちのパートナーとの結婚は…
子持ちのパートナーとの結婚は、当時全く不安に思いませんでした。私は彼が大好きだったので、彼の子どもを育てることに対して、「一緒にやっていけば、なんとかなる!」と思っていました。今思えば、いろいろと分かっていなかったのだと思います。
結婚後、3カ月ほどして妊娠が判明。このときは、はじめての妊娠でうれしい気持ちよりも自分が親になることへの不安な気持ちの方が大きかったです。すでに、パートナーの5歳の子どもの母親にはなっていたものの、自分が母親になる意識が実際にはここで芽生えたように思います。私のはじめての妊娠と、5歳の子どもの子育てがほぼ同時に始まりました。
子どものことがわからない
妊娠中はつわりがありましたが、産前休業に入るまで仕事を続けました。パートナーの子どもとは、「みてみて〜!」「あそぼう!」と、友達のような関係でした。人懐っこく、人見知りがないため助かりましたが、自分の体調が優れずつらいと思うことも多かったです。
子育て経験のなかった私は、イヤイヤと泣いたり、急に機嫌が悪くなったりするパートナーの子どもを見て、「子どもってこんなに喜怒哀楽があるの?」とびっくりしたのを覚えています。また、同時に、「なんで泣いているのかも、何に怒っているかもわからない……。」と、わかってあげられない自分に情けなさを感じていました。
今も昔も意識していること
出産後、私は自分で産んだ子どもと養子になったパートナーの子どもの2人の母親になりました。2人を自分の子どもとして同じように育てることについて、葛藤したり悩んだりすることはしょっちゅうでした。
2人に対して平等にすることを心がけていますが、中でも「怒る気持ち」と「許す気持ち」に差がないようにすることと、どちらにも寂しい想いをさせないことを意識しています。
月日は流れ、現在私は32歳で、パートナーの子どもは14歳になりました。結婚した当時は5歳だったので、幼い頃とは違い、しっかりとした自分の意志があるため意見がぶつかることもあります。いろいろ悩みましたが、子どもだからと何でも先回りしてサポートするのではなく、よく子どもの話を聞いて、ひとりの人間として意見を尊重するようにしています。そうすることで関係が良くなっていったように思います。
私は、はじめての子育てと妊娠が重なり多くのことで悩みました。けれど、自分の情けないような感情も含めて、ありのままの気持ちを受け入れてみたら、気持ちがラクになりました。さらに、子どもの話に耳を傾けることを意識してから、子どもが私を信頼してくれるようになったのか、ちょうど良い距離感で良い関係を築けるように。私は、子どもたちだけでなく、ママやパパも笑顔でいられる家族こそ理想のカタチだと思っています。今でも悩むこともありますが、できるだけ自分が笑顔でいられるように、ありのままの自分を受け入れて無理をしすぎず、良い親子関係を築いていきたいと思います。
著者:犬養舞
子どもがいるパートナーと結婚。その後、3人を出産し、現在4児の母。フルタイムで働きながら子育てしています。