一流企業に務めるも…
夫が勤めていたのは、誰もが名を知る一流企業でした。しかし、夫は仕事内容と自分の性格がミスマッチであること、理想と現実の違いに日々悩んでおり、週末は同僚と愚痴を言い合う飲み会ばかり。「こんな人じゃなかったのに……」と思うことがだんだん増えていきました。
そしてある日。夫のつらそうな姿に、「そんなにつらいのなら、もう辞めたら?」と私が背中を押すかたちで、夫は会社を2年で退職。私も勤めていた仕事を辞め、2人で地元の九州へ帰ることになりました。
地元で極貧生活スタート
地元へ帰ったからといって、仕事が約束されていたわけではありません。夫はNPO法人を設立するための研修生として働き始めましたが、なんと月収は5万円。6畳一間の古いアパートに2人で住み、大家さんから「本当にここに2人で住む気ですか?!」と確認されたくらい狭いところでした。研修が終了したあと、NPO法人を設立するもなかなか軌道に乗らず、無職の時期があったり、派遣で働く時期があったり……2人で悩み、生き方を模索する日々が続きました。
私もフルタイムで働き、それでも貯金を切り崩しながら、毎日節約メニューばかり考える極貧生活。こんな生活になるなんて、結婚当初は想像もしていませんでした。
波乱万丈の日々を経て
その後、自分が進みたい方向を決めた夫は派遣社員として働きながら通信制大学に通い、2年かけて資格を取得。30歳を過ぎてようやく、自分が納得できる仕事にめぐり合えました。仕事は忙しく大変そうですが、「こんなにやりがいのある仕事はない」と言いながら毎日イキイキと働いています。
今では3人の子どもに恵まれ、お互いの実家近くに家を建てて幸せに暮らしています。荒れた時期も、落ち込んだ時期もありましたが、「あのとき、仕事を辞めなきゃよかったと思うことは一度もない」と夫は言います。そんな夫を見ると、あのとき背中を押してよかったな、と私も思えるのです。
順調にスタートしたはずの結婚生活も、簡単に理想通りとはいきませんでした。予想もしなかった波乱万丈の人生。でもどんなときも「2人で一緒に幸せになる」という気持ちを忘れずに、助け合って生きていくのが結婚生活なのだと、今では実感をもって言うことができます。
著者/ひがえり
作画/霜月いく
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