こんにちは!保育士の中田馨です。子どもが成長するにつれ「アレ?」と心配になることも出てきますよね。子どものこだわりの強さを感じ始める、1歳半を過ぎたころだと、例えば「子どもが〜したい!」と言ってなかなか譲らない。「これってわがまま?」「うちの子、こだわりが強いんじゃない?」と感じること、ありませんか?実はこれ、ただわがままを言っているわけではないんです。子どもなりに理由があって、こだわりが強い子もいるんです。
今回は、子どもの「こだわり」とその付き合い方についてお話しします。実はNGな対処法していませんか?
1歳半~3歳ごろのこだわりは、自立への第一歩
皆さんのお子さんは、どんなこだわりを持っていますか?
・いつもと同じ手順が大切(手の洗い方、ご飯の食べ方、服の着方など)
・いつも同じ服、靴下、帽子、かばんなどを持ち(着)たがる
・白ご飯しか食べない(逆におかずしか食べない)
・出かけるときは、リュックにおもちゃをパンパンにして持っていく(外で出すことはない)
・バスやエレベーターのボタンは、必ず自分が押す など
例を挙げれば、数限りなくありそうですね。このこだわりを「今日は時間がないから」などと言ってさせなかったら最後。かんしゃくを起して泣き叫ぶというお子さまもいることでしょう。「こんなにこだわりが強くて、うちの子大丈夫かな?」「お友達の○○ちゃんは、こんな感じじゃないのに」と感じることもあるかと思います。
この「子どものこだわり」ですが、一見ややこしく、大人を困らせるようにも見えますが「ボク(ワタシ)は、自立したいんだ!」と言う気持ちの表れです。つまり、子どもが成長発達している!ということなのですね。
子どものこだわりとの付き合い方(理解編)
子どものこだわりは「今、これが気になるんだ!好きなんだ!」という好奇心の表れなので、「じっくりと付き合う」ことが基本になります。まずは、子どものこだわりを「理解」することが大切です。
例えば「いつもと同じ手順が大切(手の洗い方、ご飯の食べ方、服の着方など)」という子どもの場合、この手順が狂うと不安になってしまいます。ですので、この手順をできる限りいつもと同じにします。
私の保育所には、食後は「ごちそうさまでした」と言う→タオルハンカチで顔と手を拭く→食事用エプロンとタオルハンカチをかごに入れる。という流れが狂うと不安になる子がいます。この場合、先生(周りにいる大人)がこの「こだわり(ルール)」を分かっていれば、その流れ通りに手順を踏むことを心がければ良いのです。
しかし、先生やママ・パパがこのことを分かっていなければ、なぜ子どもが泣き出したのかもわからないかもしれません。子どものこだわりをじっくり観察して、何を大切にしているかを理解することが重要です。
子どものこだわりとの付き合い方(メリハリ編)
子どものこだわりには「じっくりと付き合う」が基本になります。と言われても、毎日どんなときも、このこだわりにゆったりとお付き合いできるほど大人も時間があるわけではありません。子どものこだわりへのメリハリが必要になります。
物事だったり、そのときの状況だったりで変わってくると思いますが、子どものこだわりの中で、ママやパパが「待てる(OK)」ものと、「待てない(NG)」ものがきっとあると思います。
例えば「バスやエレベーターのボタンは、必ず自分が押す」というこだわりがある場合、時間に余裕があり、他に誰もいなければ「OK」ですが、他人がいてその人を待たせるようなことになりそうなら「NG」です。そのため、あらかじめ「○○ちゃんがエレベーターのボタンを押すのは、他の人がいないときね」と言うルールを決めておくのです。
こだわりを思う存分発揮してよいときと、そうでないときのメリハリは大切です。
こだわりが強くてかんしゃくを起こしたときの解決策は、「共感」と「お願い」
子どもがこだわりの強さからかんしゃくを起こしたら、本当に困ってしまいます。我が家は娘が、なかなかのかんしゃくちゃんだったので、その苦労はよく分かります。まず、かんしゃくを起こしたときの子どもは、周りの大人の声が全くと言っていいほど届きません。「ボク(ワタシ)は、コレがしたかったんだ~!!」を全身全霊で訴えているのですから。
かんしゃくを起こしたときにはまず、子どもを安全なところに移動させ、ある程度の時間かんしゃくを起こさせてあげましょう。そのときは「そんなこと言っても、もうお出かけの時間なんだからね!」という大人の理論は横に置いて、「そうかそうか。○○がしたかったんだね。ママは分かってるよ」と共感の声かけをします。
抱っこできるのなら抱きしめて共感を言い続け、少し落ち着いたところで「ママ、○○ちゃんとお出かけしたいんだけど、靴下はいてほしいな」と、ママがしてほしいことをお願いします。
この方法で、わが子と保育所の子どもたちのかんしゃくは、比較的短い時間で収まります。一度、試してみてください。
子どものこだわりの強さに手を焼いている場合は、市の発達相談や健診時に、保健師や医師に相談してみてください。何か、新たなヒントをもらえるかもしれません。