娘には陣痛中の私の声は聞こえないように
私は20歳で娘を出産し、それから約10年後の29歳のときに息子を出産しました。出産時に上の子も立ち会いできる病院でしたが、娘は当時9歳。出産に立ち会えば少なからず心に影響を受けてしまうかもしれないと思ったこと、そして彼女自身が女性なので、陣痛の痛みでダメージを受ける私の姿がトラウマになって、将来、出産に恐怖を感じるようになるのではないかと思ったこと、この2つから夫のみの立ち会い出産の予定でした。
事前に助産師さんと相談するバースプランにも、「娘のトラウマになる可能性があるので、陣痛中の私の声が聞こえないところで実母と娘に待機していてほしい」と伝えていて、助産師さんも「待合室があるから大丈夫だよー」と言ってくれていました。
いよいよ、息子の出産!
そして、迎えた息子の出産予定日。夜中2時に破水してしまったため、実母に連絡し病院に連れて行ってもらいました。破水のみで陣痛はきていなかったので、休みながら自然に陣痛が来るのを病院で待つことに。
朝になり、朝食を食べて身支度を終えた娘と夫が病院に来てくれました。陣痛を感じ始めていたころだったので、母に夫とバトンタッチしてもらい、母と娘は待合室で待機……の予定でしたが、なんと3日前に起きた北海道胆振東部地震の影響で、待合室が閉鎖しているとのこと。分娩室の目の前で待機するよう促されました。
「陣痛に耐える私の声が聞こえちゃう! 娘のトラウマになるかもしれない……」と思いましたが、どんどん間隔が狭くなる陣痛に「いたーい!」と何度も叫んでしまいました。
私の声、聞こえていたよね?
陣痛開始からわずか3時間弱で無事に息子を出産。息子を無事に出産できたことにホッとしましたが、娘に私の陣痛中の声が聞こえていたのだろうと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいに……。息子と対面できた娘は、「私の弟」とニコニコで抱っこしていました。
なんとなく娘に直接聞くことができなかったので、陣痛中娘に付き添ってくれていた母に「私の陣痛中の声、聞こえてたよね?」と聞くと、「ちょっとくらい唸ってるところは聞こえてたけど、それ以降は病院の外をお散歩してたから大丈夫だよ~」と。なんと母が機転をきかせて、娘を私の声が聞こえないところまで連れ出してくれていたのです。さすが母、感謝しかありません。
私の陣痛中の声……「いたーい!」「もう無理!」と何度も叫んでしまったので、実際に娘が分娩室の目の前で聞いていたら、出産に対して怖い気持ちを抱いていたかもしれません。実際は、母が娘を外に連れ出してくれていたので私の声は聞こえなていなかったようですが、ヒヤヒヤしながら陣痛を乗り越えました。
◆関連動画 出産ドキュメンタリー
「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。
監修/助産師REIKO
著者:吉川 みきな
13歳女の子と3歳男の子の年の差兄弟を育てている母。反抗期の娘とイヤイヤ期の息子の育児に日々奮闘中。上の子を出産後に大学に通い、看護師の資格を取得。現在は看護師としてパート勤務をしている。