流れるままに結婚
2022年で、結婚10周年を迎える我々。今でこそ平和に暮らしていますが、入籍するまではかなりバタバタだったうえ、新婚当初は彼の破天荒な行動のせいで、いろいろと事件がありました。
私たちの出会いは会社で、同期同士。付き合い始めてから1カ月しか経っていないころ、たまたま2人でいるときに結婚相談カウンターを通りがかったら、そこで会社のかつての先輩と遭遇! その先輩は今は結婚相談所で働いているらしく、「えー! 二人、結婚するの?!」と、怒涛の勢いで話を進められ……。
あれよあれよという間に式場見学が決まり、そのまま交際5カ月で私たちは結婚することになったのです。
結婚後にわかった彼の本当の姿
そのため、お互いを深く知らないまま結婚してしまいました。結婚して一緒に暮らし始めると、私は彼の新たな一面に驚き、悩むことになったのです。
実は彼は大酒飲みで、酔っぱらって大やけどをして帰ってきたり、頭から流血して玄関前で倒れていたり、私の祖母のお通夜に来るはずが、酔っぱらって寝込んで連絡がとれなくなったり……。彼の行動には驚かされっぱなし!
一番大変だったのは、彼が3日間も行方不明になったときです。金曜日の午後、仕事終わりに彼が姿をくらませ、日曜日になっても連絡がつかない状況。以前に1〜2日彼と連絡がとれなくなることはあったので、「まあ大丈夫だろう」と私は気楽に構えていました。
でも、月曜日の朝になって彼の会社の先輩から、「彼がどこにいるか知らない? 連絡がとれないんだけど」と電話が。「さすがにこれはまずいかも」と思い、私は警察に届け出るために自分の仕事がお昼休憩に入るのを待っていたのですが、その間に彼はひょっこりと始業時刻に会社に現れたそうです。
平穏になったけれど…
それから数年の月日が経ち、彼の破天荒な行動も「まあこういう人だから、私がコントロールするのは無理だろう」と、受け入れられるようになったころ。彼が「創業社長であるお父さんの後を継ぐ」と、単身で実家がある高松に帰ることに。
ちょうどそのころ、そろそろ子どもがほしいと考えていた私たち。彼は結婚当初から「野球チームが作れるくらい子どもがほしい!」と希望していました。その計画通りには行かなくても、私たちは子どもは5人はほしいと思っていたので、レディースクリニックで不妊治療を始めることに。彼は飛行機で東京に来て、精子提供してすぐまた高松にとんぼ返りということもありました。
そのかいあって、顕微授精の結果、二人の子どもを出産。その後、彼は高松を離れて熊本で仕事を始めることになり、今は東京と熊本との別居婚となりました。 彼と会えるのは年に数回ですが、子どもたちも「そんなもんだ」と思っているようで、今は新婚当初と比べるととても平穏に暮らしています。
彼とは半ば勢いで結婚してしまった感は否めませんし、結婚してすぐのころは、大変なことがたくさんありました。今も、まわりの友人からは「あなたたち、よく続いてるね」なんて言われます。結婚前に同棲するなどして、相手がどんな人間なのか確かめる期間があればよかったな、と思いました。
でも、かわいい子どもたちと過ごしていると、彼と結婚して子どもたちと出会うことができて、私はなんだかんだとても幸せだな、と感じています。
文/大川富士子さん
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