出産にはさまざまなドラマがあります。妊娠中はとくに変わったこともなく、母子ともに順調だった私。予定日の午前1時ごろに陣痛が始まり、「この子はスケジュールを守るタイプだね」なんて冗談を言ってたときには、まさか自分の出産がこんな大変なことになるとは予想もしていませんでした。
入院はしたもののお産が進まない!
私が帝王切開になった理由は、とにかくお産がまったく進まなかったからです。入院したときの子宮口は4cm。そこからまったく子宮口が開かなくなってしまいました。
延々と陣痛の痛みに耐えながら時間だけが過ぎ……無痛分娩を希望していた私は、途中で麻酔をしてもらい、痛みを少し和らげてもらいましたが、それでもずっとかなりの痛みがありました。その後、陣痛促進剤でもお産は進まず、入院から48時間後に緊急帝王切開になりました。
号泣しながらの帝王切開手術
先生に「切りましょう」と言われてからは、何人ものスタッフの人がすごい勢いで準備をし、私はあっという間に手術台の上にいました。
帝王切開は特別な理由がなければ局所麻酔で行われ、意識があるので先生の声なども聞こえます。私の場合もそうで、首のあたりにカーテンのような目隠しがあり、手術の様子は見えませんが、「それでは始めます」という声ははっきり聞こえました。思いもよらなかった状況に私は涙が止まりませんでした。
わずか40分で赤ちゃんと対面!
看護師さんに手を握ってもらって泣きながら、私はようやく産声を聞くことができました。入院してからは丸2日以上がたっていましたが、手術が決まってからはたった40分しか経っていませんでした。(一般的には手術時間は30分~1時間程度かかるそうです)
思いがけず大変な出産となってしまいましたが、結果的に赤ちゃんに無事対面できて心底ほっとしたのを今でもはっきりと覚えています。
私は帝王切開が怖くて、妊娠中も渡されたパンフレットをちゃんと見ていませんでした。今思えば、あらかじめさまざまなケースを想定しておけば、ただ怖いだけでなく心構えもできたのかなと思います。本当に出産は何が起こるかわかりませんね。(TEXT:橋本佳菜)
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。