赤ちゃんがほしくてもできない方もいます。妊娠することは本当に奇跡的なことです。流産は仕方がないこととは言え、流産してしまったおなかの中の赤ちゃんに対して自責の念に駆られる思いのママも多いのではないでしょうか。
流産とひとことに言っても、時期によって、または症状によって名称が異なり、処置もさまざまです。
そもそも流産とは?
流産とは妊娠22週未満の妊娠の中断をいいます。流産発症の時期によって、妊娠12週未満の流産を「初期流産」、妊娠12週から22週未満までの流産を「後期流産」と分類されます。流産は早期流産の方が多く見られます。
また、流産の兆候には出血や腹痛などが見られ、流産の危険性がある状態は切迫流産といわれています。
流産にはどんな分類がある?
流産は、胎児の状態によって4つに分類されます。
◆完全流産
流産が進み、胎児やその付属物が完全に排出されてしまった状態。下腹部痛や出血があったのに、軽減したり消失したりします。
◆不全流産
流産が進み、胎児やその付属物が完全に排出されず、一部が子宮内に残っている状態。出血や下腹部痛が続きます。
◆進行流産
流産が進上している状態。出血は多めで、陣痛のような下腹部痛があります。
◆稽留流産
胎児が子宮内で死亡し、子宮内にとどまっているが母体に自覚症状がない状態。症状がないことが多いですが、少量の出血がある場合があります。
完全流産は経過観察と服薬のみで済ませられることがほとんどですが、そのほかの流産では子宮内容清掃術が必要になります。
流産したのちは・・・
子宮内容清掃術には子宮内容掻把術と吸引術があります。施設や母体の妊娠歴にもよりますが、処置の際、日帰り入院から2泊3日の入院が必要になります。処置後は感染症予防の抗生剤や子宮収縮剤などを服薬します。
退院後は再度外来受診が必要で、処置後の経過を見ていく必要があり、次の妊娠を試みるには、生理再開から3カ月後が目安といわれています。
私自身は完全流産を経験しています。当時、息子を産んで4カ月後のこと。おそらくは次の妊娠までの間隔が短すぎたために、体の状態が万全でなかったのではないかと思います。赤ちゃんが順調に育ち、無事に生まれることは、当たり前のことではなく、本当に奇跡なのだということを忘れたくないですね。(TEXT:高橋かおり)